サンフレッチェ広島は7月4日のJ1リーグ再開初戦で、ヴィッセル神戸と対戦する。昨季の神戸戦で悔しさと歓喜、両方を味わったMF森島司は、昨季は出場機会がなかったアウェーゲームでの活躍を期している。

上写真=笑顔も見せながら前日練習を終えた森島(写真◎石倉利英)

神戸には「良い印象がある」

 小雨が降る中で前日練習を終え、MF森島司は「頑張ろうと思います」と淡々と語った。長い中断期間を経ての再開となるが、「自分が得点に絡むところは、常に意識しているし、チームの底上げはできている。連戦になっても大丈夫だと思う」と語るように、自身とチームの状態に確かな手応えをつかんでいる。

 サンフレッチェ広島は再開初戦、アウェーでヴィッセル神戸と対戦する。振り返れば昨季の神戸との2試合は森島にとって、シーズン途中のブレイクを象徴するものだ。

 最初の対戦は4月14日、第7節のアウェーゲームだった。チームは4-2で勝って5連勝を飾ったものの、控えだった森島は出番なし。開幕からのリーグ戦7試合で出場したのは、第3節で交代出場しての18分間のみで、控えで出番なしが3試合、あとの3試合はベンチメンバーからも外れている。

 当時はポジションも2シャドーの一角ではなく、右サイド(ウイングバック)で、主戦場はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)だった。しかし、そのACLでプロ初ゴールを決めるなど結果を残すと、リーグ戦でも先発起用された5月26日の第13節、浦和レッズ戦でJリーグ初ゴールとなる先制点。リーグ戦での連敗を5で止める、4-0の快勝の立役者の一人となり、これを機に2シャドーの一角で定位置をつかんだ。

 迎えた10月5日の第28節、ホームでの神戸戦は、2得点2アシストという圧巻のパフォーマンスで6-2の大勝に貢献する。半年の間に確固たる地位を築き、最終的にキャリアハイのJ1リーグ24試合出場・3得点の結果を残した。

 直近の対戦で好プレーを見せたことで、神戸には「良い印象はある」と語る一方、「実力のあるチーム。集中して試合に入らなければいけない」と警戒する。「先制点を取らないと厳しい戦いになるので、先制点が大事」と、最初の1点が大きなポイントになるとの見方を示した。

 2月に消化した公式戦2試合で5得点、無失点と好スタートを切っており、「たくさん点を取って、無失点でいくことができているので、それができるのが理想」とイメージしつつ、「それが無理としても泥臭く戦って、最後に勝ちたい」と言葉に力を込めた。今季から背番号10を背負う男は、再開初戦からエンジン全開で勝利を目指す。

取材◎石倉利英 写真◎石倉利英