6月23日、ヴィッセル神戸のトルステン・フィンク監督がオンライン取材に登場、週末に行われた練習試合について振り返った。練習再開後初のトレーニングマッチ、そこで評価したものは「激しさとフィーリング」だった。

再開への「前半」

 明るい手応えから、オンライン会見は始まった。

「まずは、この週末に初めて練習試合ができました。最初の一歩という印象です。選手全員が、これからの過密日程で出番が来るということが分かっているので、そのための練習に励んでいるのが伝わってきました。この調子で次の週末にもう1試合、練習試合をこなせば、リーグ再開にいい状態で入っていくことができます」

 練習試合は45分マッチを3本こなしたということで、「選手によって違いますが、それぞれ最低でも45分、最長で67分間、プレーしました」とのこと。「コンディションが整っていない面がある選手は45分だったり、同じポジションであれば同じプレー時間にしてフェアな状況にしました」という理由からだった。「全体的に選手たちから良い印象をもらえました」とトータルで見て好印象の135分だったようだ。

 7月4日の再開までのチームビルディングでいえば、今回の試合が「前半」で、次の週末が「後半」と言えそうだ。「次の練習試合ではさらにアピールしてほしいし、間もなく始まるシーズンへの決意や気持ちが伝わるプレーを見せてほしいと思います。さらに競争していって、オレでも試合に出られるぞ、その実力があるんだ、という意気込みを見せて頑張ってもらいたいですね」。メンタルのコンディションを高める狙いにも触れている。

写真◎ヴィッセル神戸

攻撃も守備も高めて

 このように「最初の一歩」とした今回の練習試合で、重視したのはサッカーをプレーすることだったようだ。

「最初の練習試合では戦術面の確認もありましたが、大事なのは選手たちがサッカーのリズムをつかむことでした。いつも練習で一緒にやっているチームメートと対戦するのと、まったく別の対戦相手がいるのとは大きく違います。その感覚、ぶつかり合いの激しさ、サッカーのフィーリングを感じてほしかったのですが、その点ではうまくいったと思います」

 だからこそ、次の週末が重要になってくる。

「戦術面でもしっかり話し合ってきて、選手に落とし込んでいます。次の練習試合ではもっと戦術面において選手がどんな動きするのか、相手の動きにどう対応するのかという細かいところで調整して取り組みたいと思っています」

「昨年は攻撃に集中していました。私が来てからあまり時間がなかったので、このクラブの一番の優位な点である攻撃の面で勝負しようとしました。確かに昨年は失点が多かったのは事実ですが、いま守備のレベルを上げたいというよりは、攻撃も守備も高めて全体的に強いチームになりたいと思います。昨年の多くのゴールはミスなどで簡単に与えたものが多かった。そういった失点をより減らすためにも守備の面の向上も目指しています」

 再開初戦のサンフレッチェ広島戦まで、あと11日。