川崎フロンターレの鬼木達監督が6月18日のオンライン会見に登場。鹿島アントラーズ戦から再開するJリーグも「ニューノーマル」を求められるが、だからこそ「変えない流儀」で突き進む…そんな覚悟が言葉の端々からにじみ出た。

上写真=丁寧に回答する姿がチームの姿勢を象徴しているようだった(写真◎スクリーンショット)

「変わらない」流儀

 長期中断からの超連戦。7月4日に再開されるJ1を前に、川崎フロンターレも日々のトレーニングに余念がない。すでに練習試合も6月13日にSC相模原に3-0(45分×3本)、FC町田ゼルビアに5−0(45分3本)と2連勝している中で、収穫と課題の両方が見つかったわけだが、鬼木達監督の目的はシンプル。「攻守での迫力を打ち出したい」ということだ。

「練習試合を戦ってみて、守備のところはまだまだ、ですかね。失点はしていなくても、ピンチがないわけではないですから。細かいところですが、迫力のある守備のところまで持っていければと思っています。ただ、選手同士で前向きに話し合ってくれているので、少しずついい結果が出てきています」

「攻撃のところでも、最初の相模原戦の後に修正点を話して、次に町田と戦ったんですが、最後の質のところにこだわってトレーニングして、それが生きたゴールがあったのでプラスに考えています。でも、まだ全体として6~7割という感じがしています」

 これまで川崎が積み上げてきた「迫力」を取り戻そうとしているところだが、その方法として「変わらない」という流儀を共有している。

「連戦ということについては、うちはこれまでもACL(アジア・チャンピオンズリーグ)も含めてやってきました。もちろん今年は特別ですけれど、一戦必勝というやり方は変わらないんです。メンバー構成ももちろんターンオーバーも考えますが、それありき、それ優先でやるよりというよりは、目の前の1試合を戦いながら、相手の情報もプラスしてはいきますが、まずは自分たちのことを見据えて変わることなく考えていきます」

使い分けをしっかり

 メンバーのセレクションが変わらなければ、戦い方も基本的に変えることはないという。フォーメーションを昨季の4−2−3−1から4−3−3へと移行しているが、だからといってクラブの理念やサッカー観のようなものまで変えるつもりではない。

「今年はチームとしてシステムを変えていますが、その特徴を生かしつつやっていきます。ただ、ベースにあるのはボールを保持することであって、それを手放してはいけないということは改めて選手に言いました。そうなると速い攻めを失うようなことになりがちですが、ボール保持=大事にしすぎて遅攻になることは違うよ、使い分けをしっかりしていくよ、という話もしています。攻撃のところでその両方をチャレンジしてくれていますし、第一優先を何にするのかはチームとして見えています。守備についても同様で、前から行くときと少し構えるときと、ゲームコントロールのところはまさにいまやっているところです」

 ケガのリスクを分散・減少させるために、連戦で重要になるのは選手起用の部分で、つまりは監督の手腕が問われる局面だ。選手交代が5人まで認められることになったが、その点についても策を弄するつもりはないという。

「基本的にはいままで通りと言ったらおかしいですけれども、試合に勝つための交代策というのは当たり前です。5人使えるからといって、すべて使い切るというものではないですし、流れを変えたいとき、逆に変えたくないときでも違ってきます。そこは状況次第でうまく使い分けていきます」

 自分たちは決して変わることなく進んでいく。その思いが言葉の端々から伝わってくるが、再開初戦の相手、鹿島アントラーズのことも敬意を表して「変わらないクラブ」という印象を抱く。

「新しい監督が来て新しいサッカーにチャレンジしていると思います。最初の2試合(リーグ1節●0-3広島、ルヴァンカップ1節●0-1名古屋)を見ましたが、この中断期間を経て良くなっていると思いますよ。やっぱり鹿島は鹿島で変わりませんからね。そういう意味でいうと、お互いに気持ち良いぶつかり合いになると思います。それを大事にしたいと思います」

 変わらない川崎が、変わらない鹿島とともに、サッカーができる喜びを思い切り表現するに違いない。それはとても素晴らしい90分になるだろう。