6月18日にオンライン取材に応じたのは、2年目に勝負をかける若きMF名古新太郎。日々のトレーニングや2試合のトレーニングマッチを踏まえ、7月4日の川崎フロンターレ戦を見据えて心と体を整えている。

上写真=練習を重ねることでコンディションを上げていく(写真◎鹿島アントラーズ)

いろいろな人に感謝して

 7月4日のJ1再開まで残りおよそ2週間。さらにそこからの連戦も加味して逆算し、戦う知力と体力を取り戻すトレーニングに励んでいる。鹿島の2年目MF名古新太郎ももちろんその一人だ。

「これまでの人生でこんなにサッカーができない時間はありませんでした。選手にとって苦しい時間でしたが、もちろん自分たちだけではなく社会的に見て本当に苦しい状況の中で、サッカーをまたできることでいろいろな人に感謝して、幸せを感じています」。そんな真摯な思いで戦いの時を待ちわびている。

 体の部分では、まずは2週間後にフォーカスしているようだ。「グループトレーニングから始まり、全員でのトレーニングに移ったはじめは体づくりから入りました。コンディションも上がってきているので、あと2週間でしっかり上げていきたいですね」

 とはいえ、ブランク明けだからこその難しさも感じないわけにはいかない。「もちろん、自粛期間は家でできるトレーニングをしていましたが、より実戦的な、試合や練習に入っていく中で、ただ走るのと強度の高い運動の繰り返しでは違います。そこは練習の中でしか上げていくしかないと感じました」

リスク管理の重要性

 同時進行で、戦術的な部分も急ピッチで組み合わせていく必要がある。「ザーゴ監督のサッカーは頭を使います。ボールをしっかり握る部分、そして攻撃のときのリスク管理について特に言われています。選手同士でも話し合いながらやっていきたいと思います」

 徹底したリスク管理は、いわば常勝鹿島のお家芸。プロ2年目の若手であってもその点をおろそかにしないのがアントラーズイズムだ。それを実戦の場で確認したのが、6月14日のアルビレックス新潟との練習試合、そして今後の連戦を見据えて中3日で設定された17日のユースとの練習試合だった。

「しばらく試合できていなかった中で、僕だけではないと思いますけど、いろんな選手が試合勘の部分でちょっと難しかったかな。練習試合がまだ何試合かあると思うので、詰めていければと思っています」

「新潟戦はものすごい雨でサッカーにならくて、でもやろうとしている形は少しずつ試合の中で出てきていると思います。いままでやってきたことを再確認する部分、あとは最後の崩しの部分、リスク管理をもっと詰めていって精度を上げることをこの2週間でやっていければなと思います」

 どうやら、過度な焦りも気負いもなさそうだ。

 再開初戦は強豪・川崎フロンターレ。「もちろん力のあるチームだと思いますし、初戦に勝つことにフォーカスしながらトレーニングしています。まずはそこをしっかり勝てるようにしたいですね。フロンターレは特徴のあるチーム。しっかり監督、選手と話し合って初戦に向かいたいと思います」

 関門突破へ、心と体を整えていく。

終始、冷静な口調が印象的(写真◎鹿島アントラーズ)