J1のFC東京は26日、緊急事態宣言が解除されたことを受け、2カ月ぶりにトレーニングを再開した。練習後、長谷川健太監督がリモートでの取材に応じ、今季の戦い方などについて語った。

上写真=ビデオ会議システムでの取材に応じた長谷川監督(画面のスクリーンショット)

異例づくしのシーズンに

 取材に応じた長谷川監督は開口一番に「久しぶりにみんなの顔を見られてよかった」と、選手たちとの再会を喜んだ。活動休止中もリモートでフィジカルトレーニングなどを行なってきたが、「やっぱりグラウンドでトレーニングをすると選手の表情も違う。何となく再開が見えてきたということで、積極的に取り組んでくれた。非常に良い時間を過ごすことができた」と初日を振り返った。

 ただ、Jリーグは6月下旬あるいは7月上旬に再開する見通しとなっており、残された時間は少ない。長谷川監督は「焦って(コンディションを)上げるとケガにつながるので、選手のコンディションを見極めながら、戦術を思い出させるためのトレーニングをしていかなければいけない」と危機感をにじませつつ、「密になってはいけないので、ミーティングでは人数を制限したり、換気をすることも考えないといけない。クラブハウスの使い方など、まだまだ詰めることはいっぱいある」と話した。

 リーグ再開が近づくにつれて、チームとしての戦い方を固める必要があるが、今季は1試合の交代枠が従来の3人から最大5人に増えるなど、新たなレギュレーションにも対応しなければならない。指揮官は「フィールドプレーヤーの半分を代えられるわけだから、始めから飛ばしてくるチームも出てくるのではないか。慣れてくるとアグレッシブな試合が増えると思っている」との見解を示し、自身の采配については「これから暑い季節になってくるので、ターンオーバーをしながら戦うのか、それとも交代をうまく使いながら戦うのか。どういう戦い方がいいのか、今後詰めていかないといけない」と語る。

 新型コロナウイルスの影響により今季は異例づくしのシーズンとなるが、それでも長谷川監督は「これからサッカーをやれるんだというワクワク感を持っている」と前向きだ。「再開したら、サポーターに少しでも喜んでもらえるように、ちょっとした日常が戻ってきたなと思っていただけるように、しっかり準備していきたい」。監督14シーズン目の名将も、サッカーのある日常を待ち望んでいる。