交代枠5人は「大きな変更」
広島はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場した昨季、J1リーグを戦うメンバーとは異なる顔ぶれでグループステージ(GS)を戦った。初戦こそ敗れたものの、その後は好調に勝ち点を積み上げ、1試合を残してラウンド16進出が決定。そこで結果を残したDF荒木隼人、MF森島司はJ1リーグのチームに食い込み、シーズン中盤以降は主力として活躍している。
今季ここまでに消化したルヴァンカップのGS第1節と、J1リーグ開幕戦は同じ先発メンバーだったが、その後のルヴァンカップのGSは、昨季のACLと同様の起用法が予想されていた。だが今季は公式戦の再開後、リーグ戦の日程消化を優先するため、ルヴァンカップは開催方式が変更になり、試合数が減ることになるとみられている。
これについて城福監督は、「1試合でも多くやることが選手の成長につながると思うので、過密日程になろうが、ルヴァンカップも縮小せずに全部やりたい、できるだけ多く試合をやりたい気持ちがありました」と語った。しかし、「ルヴァンカップが縮小するという現実が、おそらくある」とした上で、「リーグ戦であろうが、カップ戦であろうが、例年にない過密日程になる。選手のコンディションを見ながら、リーグ戦でもいろいろな選手を使うトライをしていく年になるのかなと思っている」と今後のプランを明かしている。
実際にシーズンが再開するとなれば、その直前にハードな練習を課して状態を確認する考えを示した城福監督は、「試合で使ってみないと分からない、ではなく、これだけの練習をやれているのであれば、信じて使う、というサイクルにもっていきたいと思っている。自分の目で見て信じたものをピッチ上に送り出したい」と言及。さらに、期間限定で導入される見込みの『交代枠5人(交代回数は1試合につき3回まで)』についても、「大きなルール変更。もっとアグレッシブに最初から、あるいは途中から、選手を使っていける状況になる可能性がある。それを踏まえると、選手全員が良い準備をすることが、今季を乗り切る一つのキーになり、それができた選手が結果を出せるのではないか」とコメントした。
今季に向けてのチーム始動時に「『このメンバーでタイトルを取ろう』と確認して、キャンプでも厳しいトレーニングを乗り越えて、素晴らしいスタートを切ることができた」と振り返った指揮官は、「再開したときは目標を達成できるように、チーム一丸となってやっていく。ぜひサポーターの皆さんに、そういう姿をお届けしたい」と意気込みを新たに。その上でファン・サポーターに向けて「スタジアムに来られる状況になったときは、一緒に戦って今年の目標に向かっていける、そういう状況を作りたい。楽しみにしておいてほしいですし、ぜひ一緒に戦っていただきたい」とメッセージを送った。
文◎石倉利英 写真◎サンフレッチェ広島