活動を休止しているサンフレッチェ広島の城福浩監督が、ウェブ会見で報道陣の取材に応じた。行動を制限されている選手のコンディションへの配慮、再開後の選手起用のプランなどを明かしている。

上写真=ビデオ会議システム『Zoom』を利用して報道陣の質問に答えた城福監督(写真はスクリーンショット、サンフレッチェ広島提供)

5月8日と9日に練習場で自主トレ

 新型コロナウイルスの影響で2月末にJリーグの全公式戦が延期となって以降も、サンフレッチェ広島は数度のオフを挟みながら練習を続けていた。しかし、4月14日から活動を休止すると、当初は2週間程度とされていた期間が、いったん5月6日まで、その後に『当面の間』と、二度にわたって延期となり、現在に至っている。

 活動休止期間に入って以降、「まずは新型コロナウイルスにかからない、また万が一かかっていた場合、(他人に)感染させないことを考えて、人と接触しないようにしてきた」という城福監督。映像を見るなどのサッカーに関すること以外に、サッカーから完全に離れる時間も作り、読書をして過ごすときもあると明かしたが、やはり最も気にかけていたのは選手たちのコンディションだった。

 オンラインでの全体ミーティングや、コーチに連絡してもらうなどして選手の状態を把握するほか、5月8日と9日には練習場である吉田サッカー公園を自主トレーニングに使用できたため、参加した選手とコミュニケーションを取ったという。クラブハウスは使用できないため、選手たちは着替えを持ってグラウンドを訪れ、練習後そのまま帰宅する形だったが、ボールを蹴ることもできた選手にとってだけでなく、監督も会って話をすることができたのは大きかったようだ。

 家族が来日できず、異国で不安な日々を過ごしているブラジル人選手のケアについても思いを寄せていたが、それらを踏まえて想定しているのは、選手ごとに自宅の環境などで、どれだけ体を動かせるが違うため、通常のシーズン始動時よりもコンディションにバラつきがあること。ただ、「そこで(全員が)同じメニューをすると、ケガを誘発する可能性があるので、それだけは避けたい」と語る一方、「コンディションが低い方に合わせるのではなく、いかにグループを組んでいくかをシミュレーションしている」という。さらに『3密』のことも考えて、活動が再開しても全体練習ではなく、グループごとに分けて練習を行なっていく意向を明かした。