写真◎J.LEAGUE
1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第13回は、ガンバ大阪初優勝の立役者、アラウージョをピックアップ。
史上2位の得点数を記録
清水に加入する前にプレーしていたゴイアス(ブラジル)で『ゴイアスの至宝』と呼ばれ、高く評価されていたストライカーはシーズン中盤以降、さらに調子を上げた。第17節から4試合連続の計7得点、無得点の1試合を挟んで第22節からは5試合連続の計10得点。G大阪は第23節で首位に立ち、初優勝に向けて突き進んでいく。
だが、アラウージョの連続ゴールが止まった第28節からG大阪は2連敗。第30節はアラウージョのシーズン31得点目で勝ったものの、第31節からは3連敗を喫し、最終節を前にセレッソ大阪に首位の座を明け渡した。
迎えた最終節、アウェーで川崎フロンターレと対戦したG大阪は、勝つことが逆転優勝への条件だった。12分にアラウージョのゴールで先制したが、前半のうちに追い付かれ、後半に勝ち越しても、また追い付かれる。しかし、それでも攻撃姿勢を貫くと、79分に勝ち越し、89分にはアラウージョが勝利を決定付ける4点目。そのまま4-2で勝利すると、ホームでFC東京と対戦していたC大阪が、後半アディショナルタイムの失点で2-2の引き分けに持ち込まれ、劇的な逆転でのリーグ初優勝が決まった。
最終節で優勝を決める2得点を決めたアラウージョは、33試合出場・33得点で得点王に。1998年の中山雅史(ジュビロ磐田)の36得点に次ぐ史上2位の得点数を記録した。JリーグアウォーズではMVPにも選出。この年限りで退団してブラジルのクラブに移籍したため、G大阪でプレーしたのは1年間だけだったが、永遠に語り継がれるリーグ初制覇の原動力となった。