新型コロナウイルスの感染拡大により、活動を停止している浦和レッズのDF槙野智章が4日、ビデオ会議システムによる取材に応じ、SNS投稿の真意などについて語った。

上写真=オンラインでの合同取材に応じたDF槙野。(写真はスクリーン画面)

アメリカでも話題に

 SNSで情報を発信するサッカー選手が増えているなか、槙野智章の投稿は多くの反響を集めている。アメリカのメディア『ESPN』でも取り上げられ、いまやその知名度は日本国内にとどまらない。自身の役どころを理解し、ユーモアあふれる投稿を意識している。

「自分がどういうタイプなのかを理解しないといけない。どうすれば、多くの人に元気、勇気、笑顔を届けられるかを考えています」

 闇雲におもしろ動画を上げているわけではない。プロアスリートであることを意識しながら、ファン・サポーターを含め、見る人たちが面白いと感じるかどうかをよく考えているという。

 午前中は自宅でトレーニングに励んでいるが、午後からは指導者資格のB級ライセンスの講義を受けたり、そしてSNSに使う動画の編集にも時間を割く。チームメイトが撮影した動画を提供してもらい、自身が撮り貯めているものを整理して吟味する。そこから、ひと手間加えるのがエンターテイナーである。

「ただ1本の動画を上げるのではなく、うまく編集して音とかテロップを入れることで、面白さが伝わるようにしています。日本代表、浦和、選手個人に特化したものなど、バリエーションはさまざま。ただ自分がバカするのではなく、いろいろな選手の面白さを引き出したいと思っています。その選手が所属するチームのファン・サポーターを含め、多くのサッカーファンに楽しんでもらえるようにしています」

 緊急事態宣言の延長が決定し、気が滅入る人も多いだろう。こういうときだからこそ、槙野はファン・サポーターを楽しませることを忘れない。プロサッカー界の舞台裏を楽しく愉快に演出できるのも、この男ならではだ。当面、外出自粛が続くなか、まだまだ新作を世に届けるつもり。「あまりハードルを上げないでほしい」と冗談まじりに話すが、口ぶりは意欲的だった。

「新しくチャレンジしたいことがあるので、楽しみにしてもらっていいです」

 これからも槙野プロデュースの“作品”からは目が離せない。

取材◎杉園昌之