1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第8回は、98年に続く2度目の得点王となった中山雅史を取り上げる。

最後の2試合で5得点

 チームは何とか優勝争いに踏みとどまっていたが、第8節に続いて第10節も敗れてステージ4敗目。この試合を最後にシドニー・オリンピックとアジアカップによる中断期間に入り、その間にハジェヴスキー監督は解任され、鈴木政一コーチが新監督に就任した。

 約3カ月の中断期間が明けると、前年にベネチア(イタリア)に移籍していたMF名波浩が復帰したことも追い風となり、チームの調子は上向いていく。中山自身も再開初戦でゴールを決めると、第14節でシーズン初のハットトリック。最終節では2得点を挙げ、最後の2試合で5得点を挙げた。

 チームは中断明けの5試合を4勝1敗としながら、ステージ3位でチャンピオンシップに進めず。年間勝ち点は柏レイソルに次ぐ2位だったが、リーグ連覇への挑戦権を得られなかった。それでも中山は2ndステージ15試合で16得点、シーズン通算29試合・20得点で、史上初となる2度目の得点王に。監督交代に揺れた中でも結果を残し、「炎のゴールハンター」の矜持を示した。

●2000年の得点ランキング(全30試合)
1位 中山雅史(ジュビロ磐田) 20得点
2位 北嶋秀朗(柏レイソル) 18得点
3位 ツゥット(FC東京) 17得点
   柳想鐵〈ユ・サンチョル〉(横浜F・マリノス) 17得点
   カズ〈三浦知良〉(京都パープルサンガ) 17得点
    ※5位まで、所属クラブ名は当時のもの

当時ヴェルディ川崎の中澤佑二とのマッチアップ(写真◎J.LEAGUE)

2ndステージ第6節、ヴィッセル神戸戦でJ通算100得点に到達。試合後にサポーターの前で(写真◎J.LEAGUE)

チームは連覇を逃したものの、中山は2ndステージに得点を量産した(写真◎J.LEAGUE)

Jリーグアウォーズでのプレゼンターは、この年のアテネ五輪で2大会連続の金メダルを獲得した柔道の野村忠宏選手(右から2人目)だった(写真◎J.LEAGUE)