1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第5回は、規格外のゴールで華々しく活躍したエムボマを取り上げる。

G大阪の躍進に貢献

 1stステージはチームの躍進にはつながらず、17チーム中8位に終わった。だが2ndステージに入ると、エムボマが第7節から6試合連続ゴール、チームは第3節から延長Vゴール勝ちも含めて9連勝を飾り、一時は首位に躍り出る。終盤に失速してタイトルこそならなかったが、過去最高の2位という好成績を残し、エムボマは28試合出場・25得点で得点王に輝いた。

 相手選手と交換したユニフォームをたくさん所有しているユニフォームコレクターで、当時の週刊サッカーマガジンの担当記者がリクエストしたところ、自宅のあるフランスからスーツケースいっぱいのコレクションを持参してくれた(下写真参照)。他にも様々な撮影のリクエストに笑顔で応じてくれるなど、サービス精神旺盛だった。

 翌98年、カメルーン代表で出場したフランス・ワールドカップ終了後にイタリアのカリアリに移籍。のちに東京ヴェルディとヴィッセル神戸でもプレーしたが、振り返ってみると日本で活躍した期間は短い。デビュー戦でのスーパーゴールに象徴されるように、ファーストインパクトから一気に駆け抜けての得点王獲得だった。

●1997年の得点ランキング(全32試合)
1位 エムボマ(ガンバ大阪) 25得点
2位 エジウソン(柏レイソル) 23得点
3位 永島昭浩(ヴィッセル神戸) 22得点
   マジーニョ(鹿島アントラーズ) 22得点
5位 福田正博(浦和レッズ) 21得点
   サリナス(横浜マリノス) 21得点
  ※5位まで、所属クラブ名は当時のもの

週刊サッカーマガジンの企画で実現したユニフォームコレクション紹介。ブラジル代表MFライーのユニフォームも(写真◎サッカーマガジン)

利き足の左足を豪快に振り抜き、印象に残るゴールをいくつも決めた(写真◎J.LEAGUE)

前線で見せるプレーは迫力十分。表情も含めて「絵になる」選手だった(写真◎J.LEAGUE)

Jリーグアウォーズでは競馬騎手の武豊氏からトロフィーを受け取った(写真◎J.LEAGUE)