サンフレッチェ広島の城福浩監督が、中断期間中の強化プランについて語った。日々の積み上げに自信を見せ、それに取り組む選手たちの姿勢を評価。1年程度の延期が決まった東京五輪への考え方も明かしている。

東京五輪延期は「大きな影響を及ぼす」

 3月27日にはJ3のガイナーレ鳥取と練習試合を行なう。指揮官は狙いとして、ここまでの練習試合で見えた課題の共有や、戦力の底上げに加え、「(今季の公式戦は)ルヴァンカップとリーグ戦を1試合ずつやっていますが、そこに新たに絡んでいく選手はぜひ出てきてほしいと思っているので、彼らの時間を長くしてあげたい」とコメント。2月16日のルヴァンカップ・グループステージ第1節の横浜FC戦(〇2-0)と、同23日のJ1リーグ開幕戦、鹿島アントラーズ戦(〇3-0)は先発の11人が同じ顔ぶれで、控えの7人もほとんど同じだっただけに、それ以外の選手にとって貴重なアピールの場となりそうだ。
 
 また、3月24日には東京五輪が1年程度、延期されることが決まった。今季のJリーグは東京五輪の期間中に公式戦を行なわない予定だったため、城福監督も「五輪の期間は中断という前提で、いままで(予定を)組んできた。それがなくなるかもしれないという意味で、大きな影響を及ぼすと思う」と予想している。
 
 広島はMF森島司、MF松本泰志、GK大迫敬介など、東京五輪世代のメンバーが多く所属している。ただ城福監督は「サンフレッチェで活躍する、勝利に貢献することなしに、代表はないと思ってプレーしてくれていると思う」と語り、『広島なくして東京五輪なし』の考えを示した。その上で「まずはこのチームで、いかに戦力になっていくか、勝利に貢献するか、というところに、すぐ気持ちを切り替えてくれると思います」と強調し、どんな状況であれ、まず広島で活躍してくれることに期待を寄せた。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英