3月21日に北海道コンサドーレ札幌は鹿島アントラーズとトレーニングマッチを行ない(45分×2本/35分×2本)、勝利を飾った。2月9日、肉離れで離脱していた深井一希も途中出場。頼れるボランチがピッチに戻ってきた。

上写真=2本目からピッチに登場した深井一希(写真◎近藤俊哉)

■2020年3月21日 トレーニングマッチ(45分×2本) @カシマスタジアム
 鹿島 2-4 札幌
 得点:(鹿)町田浩樹、ファン・アラーノ
    (札)鈴木武蔵2、ジェイ2

結果が出たことがよかった

 深井がピッチに登場したのは、2本目から。1本目の終了間際にキャプテンマークを巻き、ボランチに入っていた荒野拓馬が負傷でピッチを退いたが、代わって背番号8がピッチに立った。

 2月9日に行なった川崎フロンターレとの練習試合で右足太ももの肉離れを負った深井は、ルヴァンカップ開幕戦のサガン鳥栖戦も、J1開幕戦の柏レイソルとのゲームも、ベンチ入りさえできなかった。だが、3月15日にから通常のトレーニングに戻り、この日、J1相手のトレーニングマッチでプレーした。

 気になる状態については、本人はこう語っている。

「右足首の方が昨年の最終節からすっきりしていない状態で、この間やった肉離れも、足首から来ていた。その足首が今回の中断でだいぶ落ちついてきました。きょうは気持ちよくプレーできましたね。その点はよかったです」

 負傷交代した荒野の状態は気がかりだが、昨シーズン、33試合に出場したボランチが復帰したのはチームにとって大きい。深井は途中出場して高嶺明樹とドイスボランチを組み、プレーした。まだまだ不慣れなコンビだが、その手ごたえはどうだったのか。

「プレーに関しては、(高嶺と組みましたが)自分のプレーをどう変えるとか、そういうタイプでは自分はないので、バランスを見ながら、うまく後ろで組み立てながらというのはできたかなと。あいつ(高嶺)も勢いよくボールを取りに行くとき取りに行くので、そこは自分のほうでバランスをとっていた。やりながらですけど、うまくできたと思います」

 高嶺がボールに果敢にアプローチすれば、深井がバランスを見ながらカバーに回った。組み立ての局面で二人が最終ラインに下がる場面もあったが、試合中に声をかけ合い、役割分担を確認。微調整しながらプレーしていた。今後さらに試合をこなせば、その関係はよりスムーズになっていくはずだ。正確な左足から広いレンジでパスを出せる高嶺と、ピンチとチャンスの芽をいち早く察知し、ボール奪い切ってみせる深井のコンビは悪くない。荒野と深井の組み合わせとはまた別の魅力がある。

 そして何より、鹿島相手にしっかり勝ち切ったことは大きかった。1本目は0-0だったが、2本目に4得点。しかも先行を許しながら逆転勝ち。チームとして意識してきた攻守の切り替えの早さや前からの守備で、何度も良い形を見せた。理想形に至るまでにはまだまだ時間が必要だろうが、その過程としては悪くない。

「(今日の)一番の収穫は、試合で結果を出せたこと。それはよかったと思います」

 何より鹿島相手に実践して手応えをつかめたことは大きかったと深井は言った。それと同時に、チームとしても大きな収穫があった。それは、頼れる攻守の要、つまりは深井がトップフォームに戻りつつあると確認できたことだ。