J1の鹿島アントラーズは21日、北海道コンサドーレ札幌を迎えてトレーニングマッチ(45本×2本、35分×2本)を行ない、4本合計6-9で敗れた。主力組が出場した1、2本目は先制しながら、4ゴールを奪われて2-4の逆転負けを喫した。

上写真=ルーキーのMF荒木に指示するザーゴ監督(写真◎近藤俊哉)

理想とは程遠い状況

 ペトロヴィッチ体制3年目の札幌に力負けを喫した。素早いパスワークで攻撃を展開する相手に対し、ザーゴ新監督が率いる鹿島は連動性に欠け、チームとしての完成度の差は歴然だった。

 ザーゴ監督は試合後、「公式戦で起きている状況が、この試合でも起きた。先制するチャンスがありながら、なかなか先制できない。また勝ち越しゴールのチャンスがあるにもかかわらず、それを決めなられないで、自分たちから難しい状況に追い込んでしまった」と振り返った。

 今季は日本勢初のACLプレーオフ敗退から始まり、ルヴァンカップ、リーグ戦と公式戦で3連敗。自分たちが主導権を握る攻撃的なサッカーに取り組みながら、いずれの試合もゴールを奪えておらず、課題が山積していることを指揮官も認める。

「180度変わったサッカーをやっているので、いきなり高いレベルに到達するのは難しく、私が理想としているチームとは程遠い状況であることは間違いない。ただ、180度変わったサッカーを構築するのは時間が必要。一つのことを取り組むのではなく、チームをつくっている段階だと思っている」

 目下、リーグ中断期間中でのチーム再建が急務だが、「いつ再開するのか分からないのは、非常に難しいところではある」とザーゴ監督。ただ、新型コロナウイルスという未曽有の危機に対するJリーグの対応に理解を示し、「今は感染拡大防止に取り組むべき。現在、サッカーは一番のプライオリティーではなく、人々の命を助けることを優先すべきだと思う」と話した。

取材◎多賀祐輔