ルヴァンカップは第1節、J1、J2も第1節を終えて中断となった。この連載では開幕戦を材料に『シーズン最初の一歩』で目を引いた各クラブの注目選手を紹介していく。連載第6回はガンバ大阪のDF三浦弦太を取り上げる。

あの頃のユベントスを想起させる

横浜FM相手に三浦は自身の持つ守備スキルを発揮した(写真◎Getty Images)

 昨季は一時期スランプに陥ったものの、そこから少しずつ盛り返し、終盤戦では本業のみならず、攻撃の出発点としても見事な立ち回りをみせた。

 強みは一発で局面を変えるロングパスだ。大外で待つウイングバックへの対角パスはもとより、ライン裏へのタッチダウンパスまで繰り出せる。

 実際、昨季の浦和レッズとのアウェー戦で放った裏一発が福田湧矢のJ1初ゴールを導いた。

 アンカーに収まった大御所ヤット(遠藤保仁)の後方に攻めの基点がもう一つあるわけだ。まるでアンドレア・ピルロとレオナルド・ボヌッチのタンデムを擁し、後方からゲームを支配した時代のユベントス(イタリア)を連想させる。策略をめぐらし、見事J1王者の鼻を明かしたカルチョ風の一面を持つあたりも。

 そう考えたら、何だか三浦、キム、昌子の3人がボヌッチ、ジョルジュ・キエッリーニ、アンドレア・バルザーリの鉄壁トリオみたいに思えてくる。と、言うことは?

 いいセンターバックがいれば、タイトルが取れる――しかも「×3」だ。いや、そう簡単な話じゃないことは重々承知。でも、期待がふくらむ。

 そこでぜひ、三浦に注目していただきたい。国内随一のセンターバックに仕上がるプロセスを。

Profile
みうら・げんた◎1995年3月1日生まれ、愛知県出身。2013年に大阪桐蔭高から清水エスパルスに入団。14年、15年はJリーグアンダー22選抜としてJ3でもプレーした。2017年にガンバ大阪に移籍。主力としてチームを支え、同年に日本代表にも初選出された。18年からG大阪のゲームキャプテンを務める。183cm、77kg