上写真=加入2年目も広島の右サイドで定位置をつかんでいるハイネル(写真◎石倉利英)
右サイドのレギュラーに
3月15日開催分までのJリーグ全公式戦が延期されたことを受けて、2月27日から29日までを急きょオフに変更したサンフレッチェ広島。練習が再開した3月1日、ブラジル人MFハイネルにオフの過ごし方を聞くと「ずっと家でゆっくりしていたよ」と笑顔を浮かべた。
昨季開幕直後にトンベンセ(ブラジル)からの期限付き移籍で加入した。2017年に川崎フロンターレでプレーしたときは主に前線でプレーしていたが、広島では、ブラジルで経験があるサイドで力を発揮。シーズン途中から3-4-2-1の右アウトサイドでレギュラーとなり、J1リーグ24試合に出場して2得点を挙げている。
今季も2月16日のルヴァンカップ・グループステージ第1節の横浜FC戦と、23日のJ1リーグ開幕戦、鹿島アントラーズ戦に右アウトサイドで先発し、切れ味鋭いドリブルなどで勝利に貢献。この2試合について、「手応えがある。去年を同じようにボールを保持しながら、アグレッシブにボールを奪いに行くことができた。良い試合ができている」と自身とチームのパフォーマンスを振り返った。
開幕前のキャンプから合流してプレーしたことが、好調につながっているという。「去年は試合をしながら右サイドのポジションに慣れていったし、キャンプもできなかった。今年はキャンプから一緒にやってきたからね」。チームメイトとともに過ごし、コンビネーションやコンディションを高めたことが好パフォーマンスに直結している。
昨季終盤の練習中、城福浩監督から守備の動きを再三指摘され、大声で怒鳴られたこともあった。そのときは不満げな様子も見せたものの、レベルアップへの意欲は失わず、シーズンをまたいで定位置を守っている。
「ポジショニングも良くなっているし、ボールを奪われた後の守備も、厳しく相手に行くことができている。去年の経験を生かしていきたい」
17年限りで川崎Fを退団したとき、日本でプレーを続けたい思いから、しばらくブラジルのクラブと契約せずにオファーを待っていたというエピソードの持ち主。思いを叶えて日本で二度目のチャンスをつかみ、広島に貢献すべく闘志を燃やしている。
文◎石倉利英 写真◎石倉利英