明治安田生命J1リーグ第1節が2月21日から23日の3日間にわたって行なわれ、昨季王者の横浜F・マリノスがホームでガンバ大阪に敗れた。2位のFC東京は清水エスパルに逆転勝ち、3位の鹿島アントラーズはサンフレッチェ広島に屈した。J1の開幕戦を振り返る。

上写真=G大阪が敵地で王者・横浜FMを下した(写真◎J.LEAGUE)

昇格組の柏は快勝、横浜FCは神戸とドロー

 2020年シーズンのオープニングゲームとなった2月21日金曜日開催の湘南ベルマーレ対浦和レッズは、湘南が先制したものの、浦和が逆転勝ちに成功。今季から導入されたVARでオンフィールドレビューが実施され、浦和のDF鈴木大輔のハンドが判明してホームチームはPKのチャンスを得たが、タリクが失敗してしまう。2-2の同点に追いついた直後だったために、湘南にとっては何とも悔やまれる敗戦となった。

 翌22日の試合では昇格組の柏レイソルの充実が目立った。昨季J2を制したチームに磨きがかかり、10番を背負う江坂任が2得点、今季のJ1の最注目FWオルンガも2得点し、北海道コンサドーレ札幌を下した。唯一、心配なのはケガ人。プレシーズン中にGK中村航輔が負傷したのに続き、この日はGKキム・スンギュも足を痛めて途中交代した。ケガの状態は気になるところ。次節に間に合うのか…。

 23日に行なわれた4試合では、昨季の王者、横浜F・マリノスがホームにガンバ大阪を迎え、リーグ初陣を戦った。結果は1-2の敗戦。2年連続で同一カードとなった開幕戦で雪辱された格好。試合の入りで「ややスローペースとなってしまった点が課題」と指揮官のアンジェ・ポステコグルー監督は話し、主将の喜田拓也は「チームで話し合って修正すれば」と試合後に冷静に語った。一方のガンバ大阪の宮本恒靖監督は「準備してきたことを出せた」と会心の勝利を振り返っている。

 同じ23日に、2020年に入ってから天皇杯決勝、FUJI XEROX SUPER CUPに勝ってタイトルを手にし、ACLで2連勝しているヴィッセル神戸が登場。ホームで昇格組の横浜FCと対戦し、1-1で引き分けた。先制したのは横浜FCの方で、前半24分に明治大から加入したルーキー、瀬古樹が初ゴールを記録。神戸が追いついたのは74分、古橋亨梧がゴールをこじ開けた。

 勢いに乗る神戸との対戦を前に「チャレンジャーとして臨むだけ」と話していた横浜FCの下平隆宏監督はアウェーで「勝ち点1を取れたことをポジティブに捉えている」と試合を総括し、ホームで勝利を飾れなかった神戸のトルステン・フィンク監督は「結果には満足していないが、高い質のサッカーは見せられた」と、前を向いた。

 なお、開幕戦を終えて首位に立ったのは、ホームで鹿島アントラーズを叩いたサンフレッチェ広島。ルヴァンカップの初戦でもその能力を発揮した自慢の助っ人が力を見せつけ、3-0で完勝した。

■明治安田生命J1リーグ第1節
(※名前のあとのカッコは得点時間)

★2月21日(金)
・湘南 2-3 浦和
 得点:【湘】石原直樹(7)、山田直輝(65) 
    【浦】興梠慎三(39)、レオナルド(42)、関根貴大(85)

★2月22日(土)
・仙台 1-1 名古屋
 得点:【仙】シマオ・マテ(18) 【名】阿部浩之(34)
・柏 4-1 札幌
 得点:【柏】江坂任2(13、58)、オルンガ2(20、65) 
    【札】荒野拓馬(68)、鈴木武蔵(76)
・川崎F 0-0 鳥栖
・C大阪 1-0 大分
 得点:【C】ブルーノ・メンデス(8)

★2月23日(日)
・清水 1-3 FC東京
 得点:【清】ティーラシン・テーンダー(47)
    【F】ディエゴ・オリヴェイラ(77)、アダイウトン(80)、レアンドロ(90+2)
・横浜FM 1-2 G大阪
 得点:【横】マルコス・ジュニオール(74)
    【G】倉田秋(6)、矢島慎也(34)
・広島 3-0 鹿島
 得点:【広】ドウグラス・ヴィエイラ(20)、レアンドロ・ペレイラ(25)、森島司(84)
・神戸 1-1 横浜FC
 得点:【神】古橋亨梧 【横】瀬古樹

■J1リーグ 順位表(1節終了時点)
順位チーム名
1広島31100303
231100422
3FC東京31100312
4浦和31100321
5G大阪31100211
6C大阪31100101
7仙台11010110
7横浜FC11010110
7名古屋11010110
7神戸11010110
11川崎F11010000
11鳥栖11010000
13湘南0100123-1
14横浜FM0100112-1
15大分0100101-1
16札幌0100124-2
17清水0100113-2
18鹿島0100103-3

関根が決勝点を挙げて浦和が湘南に逆転勝ち(写真◎J.LEAGUE)

仙台の主将シマオ・マテが先制点を挙げたが、名古屋の阿部浩之に同点弾を決められた(写真◎J.LEAGUE)

オルンガ(写真左)と江坂が2得点を挙げた柏が札幌に快勝(写真◎J.LEAGUE)

川崎Fと鳥栖はともに譲らずスコアレスドローに終わった(写真◎J.LEAGUE)

C大阪対大分はブルーノ・メンデスが挙げた得点を守り切ったC大阪に軍配(写真◎J.LEAGUE)

清水に先行を許すも終盤にブラジル人トリオが得点してFC東京が敵地で勝利(写真◎J.LEAGUE)

広島の森島司(右)がダメ押しとなる3点目を記録。鹿島の完敗だった(写真◎J.LEAGUE)

神戸のイニエスタと競り合う横浜FCの瀬古樹(右)。試合は引き分けで決着した(写真◎J.LEAGUE)