2月23日、明治安田生命J1リーグ第1節が日産スタジアムで行なわれ、連覇を目指す横浜F・マリノスはガンバ大阪に1-2で敗れた。相手の倍近い18本のシュートを放っていた横浜FMだが、遠藤渓太は「言い訳はしない」と結果を受け止めた。

上写真=左ウイングとして先発した遠藤渓太。敗戦を反省し、前を向いた(写真◎J.LEAGUE)

■2020年2月23日 明治安田生命J1リーグ第1節
 横浜FM 1‐2 G大阪
 得点:(横)マルコス・ジュニオール
    (G)倉田秋、矢島慎也

くどくど言っても負けは負け

 立ち上がりの差が、勝敗に大きく影響した。積極的なG大阪のプレスにミスを誘発され、横浜FMは開始6分で失点。やはりミスが続く展開のままに34分に2失点目を喫して、ハーフタイムに入った。

 横浜FMの攻撃に幅とダイナミズムをもたらすのがウイングの役割だが、特に右サイドの昨季MVP仲川輝人はG大阪のウイングバックとCBの厳重な監視下に置かれて、なかなかボールに触ることができなかった。逆サイドの遠藤の方が、ボールを持つ機会は多かった。

 それだけに、責任感と悔しさも膨らむ。相手のプレスにも、3バックと4バックの使い分けという対策にも、「プレスにくるチームはたくさんある」「(守備陣形が)3でこようが、4でこようが変わらない」と、過剰に意識しなかった。

 むしろ、考察の目を自分たちに向ける。

「先に失点を食らう試合もあるだろうし、そこに自分たちがどう向き合うかだと思う。そういう意味で前半は駄目だった。これをいい反省になんて言うつもりはないけれど、反省すべき点も多くある」

 失点は、自分たちのミスから生まれたことも分かっている。問題は、それをどう乗り越えていくか。

「このサッカーをやっていたら、ミスはつきもの。それをどうポジティブな方に持っていくか。口で言うのは簡単かもしれないけれど、しっかりピッチで体現する選手が、後半になってから増えた」

 その言葉のとおり、終盤が近づくにつれて、相手を押し込む時間が増えた。遠藤も縦への抜け出しからクロスを送るなど、ゴールを狙い続けた。だからこそ、組み立てで苦しんだことよりも、決め切る仕事をできなかった自分に課題を見いだす。

「僕のところに(ボールが)来るシーンは、前半も後半もたくさんあった。そこでゴールにつなげることができなかったのは、自分の実力だと思う」と言い切った。

「くどくど言っても、負けは負けだし、決め切れなかったのが自分たち。そこはやっていくしかない」

 伸び盛りの22歳には、責任も試練も大きな方がいい。

取材◎杉山 孝