2月22日のJ1第1節で、ベガルタ仙台と名古屋グランパスが対戦する。新監督が率いる仙台と、イタリア人指揮官による戦術的駆け引きも、勝負の見どころとなりそうだ。

■明治安田生命J1リーグ第1節
2020年2月22日(14:00)@ユアテックスタジアム仙台
ベガルタ仙台 vs 名古屋グランパス

戦術的やり合いに注目

 仙台は、リーグ初戦で名古屋をホームに迎える。今季から仙台を率いる木山監督は、名古屋との対戦をこう想像する。

「戦術的な監督が率いられているので、タフな試合になるのかなと思います」

 戦術面でのやり合いは、望むところだ。千葉を除いて、これまで率いたJ2のクラブは、資金的に恵まれていたわけではなかった。だが、昨季まで預かった山形など3クラブを1ケタ順位に導いてきた。その鍵となるのがタクティクスで、戦術的なやり合いには「得意ですよ」と不敵な笑みを浮かべる。

 仙台も、J1での資金力は下から数えた方が早いランクにある。迎える名古屋とは対極的な位置にいると言えるが、それだけにやりがいがある。

「いろいろなことを駆使して戦えば、大きな戦力に立ち向かえると思うので、頭を使ってやっていきたいと思います」

 戦術的やり合いを恐れないとの木山監督の言葉に対し、名古屋のフィッカデンティ監督は同業者への敬意を払いつつ、「すべての試合で戦術は用意してあるので、全試合、戦術でも勝つつもりでやっている」と自信を隠さない。

 昨季のチームは、風間八宏前監督が率いていたそれまでとはまったく違うスタイルとなったが、「去年は残留のために仕事をしただけ」と、今季は新しい姿を見せることを約束する。

 今季目指すのは、見ていてエキサイティングなサッカーだ。16日のルヴァンカップでは強敵鹿島を下して上々のスタートを切ったが、イタリア人指揮官は慎重な姿勢を崩さない。

「仙台戦へ準備するという感覚と、開幕戦への準備をするんだという両方の感覚で挑まなければいけない。初戦では、展開によってものすごく自信がついたり、逆にいろいろなところに不安を抱く事態も起こりかねない」

 FC東京と鳥栖を率いた経験があり、Jリーグを熟知する。ホームでの仙台が、危険な相手であることも重々承知だ。

「サポーターがホームで良い雰囲気をつくり、すごく勢いに乗ってくる印象があるので、ボールの回し方も準備して先手を取らせないようにしたい。去年からの選手も含めて、どんな選手がいるか、情報はもちろん頭の中に入っている。監督が変わったら選手に求められるものも変わるので、しっかりとそうした点の準備もしていく」

 ピッチで選手たちが熱く戦う裏で、両指揮官も静かに闘志を燃やしている。