ベガルタ仙台の木山隆之監督は2月14日、リーグ開幕直前にJ1全クラブの指揮官がそろうキックオフカンファレンスに出席した。初めて挑むJ1の舞台に、控えめながらも闘志をのぞかせた。

上写真=キックオフカンファレンスで取材に応じる木山監督(写真◎J.LEAGUE)

8年ぶりの1ケタ順位を狙う

 2003年に筑波大学で指揮を執り始めてから、6つのJクラブでコーチと監督を務め、ついにJ1クラブの指揮官の座にたどり着いた。シーズン開幕を前に「そんなに簡単じゃないと思っているが、粘り強く、目の前の試合にしっかり勝つことにこだわりながらやっていきたい」と慎重に目標を語る。

 具体的な順位としては、「去年の成績を上回りたいし、そのうえで上限をつくらずにやっていければいいかなと思います」と、11位をひとつの目標に設定した。仙台がその順位を最後に上回ったのは、2位になった2012年シーズン。決して簡単な目標ではない。

 J2の4クラブを率いた9シーズンで、1ケタ順位に4度導いた。千葉、山形というJ1経験のあるクラブもあるが、水戸での8位、愛媛での5位は、手腕を発揮したと言っていい成績だろう。

 自分たちより強大なクラブと対戦するにあたり、「チームとして常に、組織的に規律を持って攻守にプレーしていくことは欠かせない」と言い切る。リーグ初戦でぶつかる名古屋を率いるのは、カルチョの国からやって来たマッシモ・フィッカデンティ監督だが、「(戦術的な相手は)得意ですよ」と笑みを浮かべる。

「自分たちのメンタルも含めて、立ち向かっていく姿勢は大事にしたい。何事にもポジティブに向かっていく姿勢でできれば、少しずつよくなるんじゃないかなと思う。そういうポジティブなところをもっと出していければ、変化はあると思う」と、チャレンジのシーズンを楽しみにしていた。

取材◎杉山 孝