写真◎J.LEAGUE
湘南ベルマーレを昨季途中から率いる浮嶋敏監督は、意欲にあふれていた。昨季は16位に沈んでJ1参入プレーオフを戦い、ぎりぎりのところで残留。今季は攻撃力を強化し、上位進出を目指して戦うことを誓う。
上写真=昨シーズン途中から湘南を率いる浮嶋監督(写真◎J.LEAGUE)
攻撃強化で上位進出を狙う
浮嶋体制は2年目を迎えるが、クラブに根付く『湘南スタイル』を継続していくという。
「攻守の切れ目がないサッカーを目指していく方針は変わりません。これはずっとクラブが貫いてきたことです」
昨季の戦い方をベースにしながら、スペイン・キャンプでは地道にコツコツと上積みしてきた。10人以上の新戦力を加えているが、中身は骨太のまま。全員がハードワークを徹底してこなす。
「勢いよく相手のボールを奪い取り、波のように攻めていく。いい守備からいい攻撃を仕掛けたいです。遠い先を見ずに、1試合1試合を大事にします。監督の私としての目標は上位進出。ACL出場とは言いませんが、少しでも上に行きたいと思っています」
昨季のように残留争いを巻き込まれないように、現実をしっかり見つめ直した。昨季の総得点は34試合で40ゴール。勝ちきれない試合が続き、シーズン終盤は下位に沈んだ。得点力の向上は至上命題となる。
「昨季のゴール数は上回らないといけません。そこには、こだわってきました。カウンターでゴールを取る形もあれば、プログレッション(前身して)で取る形もあると思います。両面からゴールを奪えるようにします。私たちのチームは、ひとりのキーマンがいるわけではありません。全員で攻撃して、全員で守ります」
終了のホイッスルが鳴るまであきらめずにボールを追い、最後の最後まで体を張って戦い続ける。湘南の育成組織で長年指導してきた浮嶋監督の指針がブレることはない。
「湘南には大事にしてきたものがありますから」
力強い言葉には実感がこもっていた。
取材◎杉園昌之