昨季リーグ最多の68得点を記録し、15年ぶりにJ1優勝を果たした横浜F・マリノス。今季は日本の代表としてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)にも挑む。就任3年目を迎えるアンジェ・ポステコグルー監督に、新シーズンへの意気込みを聞いた。

上写真=キックオフカンファレンスに出席したポステコグルー監督(写真◎J.LEAGUE)

王者になったことを忘れる

 硬骨漢は今年もぶれない。横浜FMを率いるアンジェ・ポステコグルー監督は2020シーズンに向けて、「何も変えるつもりはない」と断言する。

「日々成長し、満足することなく、自分たちのサッカーをすることが何よりも大切だ。もちろん相手に止められることもあるだろうが、その時はその時。我々は決して止まることなく、やり続ける。自分たちのやっていることを信じ続けるのが、私のやり方だ」

 今季最初の公式戦となった神戸とのゼロックス杯はPK戦の末に落としたが、ACLでは全北現代を敵地で下し、白星スタートを切った。ACL初戦で先発起用したFWオナイウ阿道、GK梶川裕嗣については「加入してから時間が経っていない中で、よく理解してくれている」と語り、新戦力の融合にも自信を見せた。

 昨季は自慢の攻撃力が爆発し、リーグ最多68得点でJ1の頂点にたどり着いた。今季は当然、相手チームの対策が予想されるが、「相手がどこであろうと関係なく、まずは自分たちのサッカーをやる。攻撃的なサッカーをすることに重点を置いている」と攻めの姿勢を崩さない。そしてリーグ連覇のカギを聞くと、次のように答えた。

「チャンピオンになったことを忘れる」

 理想を追い求める男は、過去の栄光に興味がない。「2020年はすべてのチームがゼロからのスタート。我々も去年よりも良いサッカーを目指し、よりレベルアップさせる。そこに重点を置きたい」と言葉に力をこめた。

 今年のマリノスは、昨季を超える“アタッキング・フットボール”が期待できそうだ。