2月8日、FUJI XEROX SUPER CUPが埼玉スタジアムで行なわれ、ヴィッセル神戸が横浜FMをPK戦の末に下し、今季最初のタイトルを獲得した。新戦力のFW対決は、先制点を奪った神戸のドウグラスに軍配が上がり、横浜FMのオナイウ阿道は見せ場なく前半でピッチを退いた。

上写真=今季から横浜FMに加入したFWオナイウ(写真◎Getty Images)

■2020年2月8日FUJI XEROX SUPER CUP
横浜F・マリノス 3-3(2PK3) ヴィッセル神戸
得点者:(横)M・ジュニオール、扇原貴宏、エリキ (神)ドウグラス、古橋亨梧、山口蛍

デビュー戦は前半で交代

 3トップの中央で先発したFWオナイウ阿道は試合後、自身のプレーを振り返り「もっとボールに関わりたかった」と反省した。シュートは前半8分に左足で放った1本のみ。裏のスペースに抜け出す場面は少なく、トップ下のFWマルコス・ジュニオールとの連係にも課題を残した。

 後半からセンターフォワードを務めたFWエリキと比べると、守備面での貢献もやや物足りなく映った。ただ今季から横浜FMに加入し、チームに合流してまだ1カ月足らず。ハイプレス・ハイラインを軸に、ハードワークと緻密なポジショニングが要求される横浜FMのスタイルに慣れるまで時間を要するのも仕方がない。オナイウ自身も悲観しておらず、「戦術は少しずつ理解できている」と前向きだ。

 敗戦のショックを引きずる暇もなく、12日には全北現代(韓国)とのACL初戦を控える。ACLでの外国籍出場枠3人(アジア枠除く)に関してチームは公表していないが、DFチアゴ・マルチンスとマルコス・ジュニオールのメンバー入りは確実で、前線のFWエジガル・ジュニオ、エリキのどちらかは登録外が予想される。そうなると当然、オナイウにかかる期待は大きい。

「初戦の韓国のチームは激しく来ると思うので、まずそこ(球際)で負けないことが大事になる。チャンスをもらえたら、そこでしっかり勝って、ゴールを狙いたい」

 昨季は大分でリーグ戦10ゴールを記録し、日本代表にも選出されるなどポテンシャルに疑いの余地はない。ACLでまず1点を奪えれば、勢いに乗れるはずだ。

取材◎多賀祐輔