サンフレッチェ広島の新キャプテンに就任した日本代表DF佐々木翔は、自然体でチームを引っ張りつつ、開幕ダッシュの重要性を説く。失敗を繰り返さないために、チームの完成度をさらに高める必要性を強調している。

上写真=新キャプテンとしてチームを引っ張る佐々木(写真◎石倉利英)

「メリハリを大事にしなければ」

 サンフレッチェ広島は1月13日から23日までの鹿児島県指宿市での1次キャンプを終え、2日間のオフを挟んで26日に再始動。約2時間の内容の濃い練習を終え、佐々木翔は「ハードだったので大変でした」と振り返りつつ、表情は充実感に満ちていた。

 2020年は新しくキャプテンに就任したが、始動から変えたことは「あまりない」という。「先頭に立たなければいけないのかな、と思いますけど、そんな柄でもないので」と語るが、昨年10月で30歳。チームを引っ張る働きが求められる年齢となり、「練習中、楽しくやるところと、厳しさを持ってやるところは切り替えなければいけない。メリハリを大事にしなければいけないと思っています」という意識を明かした。
 
 広島は新シーズンのJ1リーグで、2月23日の開幕戦はホーム(H)で鹿島アントラーズと、第2節はアウェー(A)で浦和レッズと対戦。さらにセレッソ大阪(H)、ガンバ大阪(A)、FC東京(A)、横浜F・マリノス(H)、ヴィッセル神戸(A)と続き、15年以来のJ1優勝を狙うためには、シーズン序盤の戦いがカギになるとみられている。佐々木もそれを念頭に「最初から完成度を求めなければ痛い目を見る。次のキャンプも、どれだけ(チーム戦術ななどを)詰めていけるかが大事」と、1月30日から2月9日まで宮崎県宮崎市で行なわれる2次キャンプを見据えた。

 広島は2017年、スタートダッシュの失敗を引きずり、シーズンを通してJ1残留争いを強いられた。当時は負傷離脱中だったものの、序盤の戦いの大切さを知る佐々木は「2次キャンプでも、みんなで要求し合いながら、監督・コーチを含めて、チームをなり立たせるために何が一番いいのかを考えて、しっかりやっていきたい」と語り、チーム全体でのバージョンアップを誓った。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英