サンフレッチェ広島の城福浩監督が、就任3年目の開幕に向けて確かな手応えをつかんでいる。鹿児島での1次キャンプを終え、1月26日に広島で練習を再開。宮崎での2次キャンプでの総仕上げへ気持ちを高めていた。

上写真=沢田謙太郎ヘッドコーチと練習を見つめる城福監督(写真◎石倉利英)

暖かさの中で練習再開

 1月10日に新シーズンに向けて始動したサンフレッチェ広島は、13日から23日まで鹿児島県指宿市で1次キャンプを実施。2日間のオフを経て、26日に地元の吉田サッカー公園で練習を再開した。日曜日ということで約300人のファン・サポーターが見学に詰めかける中、約2時間にわたって各種メニューをこなしている。

 1次キャンプは当初、フィジカル強化がメインとなるはずだったが、調整が順調に進んだため、予定を前倒しして戦術メニューにも取り組んだ。それを受けての練習再開後、就任3年目のシーズンに臨む城福浩監督は「1次キャンプのコンディションを保つというよりも、もう一つ上に積み上げて、2次キャンプのゲーム(練習試合)に向かうことを考えています。(広島で練習する)3日間は、そういう過ごし方をしたい。ここからはゲームに向けて、メリハリをつけたトレーニングをしたい」と意気込みを語った。

 この日の実戦形式の練習では、攻守の切り替え、前への強度といった指示が飛んでいた。「ゲーム形式の練習では、試合の方が楽、練習の方が厳しいという環境を作ることが大事」と語った指揮官は、「それを選手たちがやってくれている中で、ショートカウンターでゴールを決め切るところも練習場で積み上げていきたい」と戦術プランの一端を明かした。

 練習場の吉田サッカー公園は山間部にあるため、この時期はグラウンドが雪で覆われて練習できない年もあるが、今年は記録的な暖冬のために雪はなく、暖かささえ感じる環境での練習再開に。城福監督は「サポーターの方も多く来てくれて、気持ちが引き締まる。開幕まで1カ月を切っているので、一日一日が大事。気候に恵まれた日には、しっかりやりたいです」と語り、2次キャンプに向けて気持ちを高めていた。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英