FC東京は1月23日、東京・渋谷で新体制発表を行なった。クラブは「2023VISION」という中期計画を示し、長谷川健太監督は新シーズンの目標として「取れなかったものをつかみとる」と力強く語った。

上写真=取れなかったJ1優勝のタイトルに加え、ACL制覇を狙うと長谷川監督は語った(写真◎BBM)

4-3-3も使っていく

 クラブはこれまで、2020年までの中期計画を進めてきた。まだその現行計画が完了していない中での2023年までの新ビジョン発表となったが、大金直樹社長は「今年はオリンピックイヤー。このスポーツの機運に乗って、しっかりとスピードアップして発展していきたい」と、新たなビジョンを提示した理由を明かした。

 あらためて打ち出したスローガンは、「Football Culture from TOKYO」。大金社長は、「カルチャーに重きを置いている。東京でフットボール文化をつくっていく」と、今後の道筋を語った。そのためにフットボール、ファン・サポーター、ブランド、地域、パートナー、施設・設備の6分野に分けて、それぞれの目標を明示。この会見をJR渋谷駅近くで行なったことに表れているように、特に23区を含めたTOKYO全体へとアピールしていく意欲を示した。

ビジョンの根幹をなすのはやはりタイトル獲得だ(写真◎BBM)

 フットボールの項目で挙げたのは、当然ながら悲願のJ1初優勝。昨季の主力がほぼ残留する一方、他クラブから実績ある選手たちを迎えた。3人の新たな外国籍選手(アダイウトン、レアンドロ、ジョアン・オマリ)は、2シーズン以上、日本でプレー。長谷川健太監督も、チームづくりの時間短縮への期待を口にする。さらにはU-18からの昇格選手が3人(野澤大志ブランドン、木村誠二、バングーナガンデ佳史扶)、即戦力としても期待がかかる大卒選手が3人(安部柊斗、中村帆高、紺野和也)と、若い力も加えている。

新加入選手、新スタッフと長谷川監督(後列左から3人目)、大金社長(同4人目/写真◎BBM)

 キャプテンとして登壇した東慶悟や長谷川監督も、「今年はチームとして新しいことにチャレンジしている」と口をそろえる。昨季は4-4-2のフォーメーションからのファストブレイクをベースに優勝を争った。今季は4-4-2や4-2-3-1、4-3-3と使い分ける予定で、さらに新戦力の計算も立つ。長谷川監督は、「うまく回り始めれば、昨季取れなかったものをつかめるのではないかと思う」と目標までの距離感を語った。

 すでにキャンプは終えており、初の公式戦は早くも1月28日に訪れる(セレスネグロスとのプレーオフ)。ACLの本大会出場権を手始めに、新シーズンへとギアを上げていく。

2020年シーズンもキャプテンを務めることになった東慶悟(写真◎BBM)