1月18日、昨季限りで現役を引退した田所諒が横浜FCのフットボールアカデミーコーチに就任すると発表された。今後もサッカーの世界に身を置き、自らの手でトップチームでプレーできる選手を輩出すべく力を尽くす。

上写真=2019年シーズン限りで引退していた田所(写真◎J.LEAGUE)

日々勉強、努力していきます

 2009年、大阪体育大を卒業してファジアーノ岡山に入団。J2に上がったばかりのクラブで濃密な7年間を過ごすと、2016年に横浜FCに移って、昨季まで4シーズンを過ごした。

 2018年に左ひざの前十字靭帯を断裂。全治8か月の大ケガから復帰を果たすもなかなか試合に絡めず、昨季以降の引退を決めていた。

「アカデミーコーチとして仕事をさせていただくことになりました! 現役を引退してからも、横浜FCのために力を尽くせることを光栄に思います! 将来、横浜FCを引っ張っていくような選手を数多く輩出できるように、日々勉強、努力をしていきますので、よろしくお願いいたします!!」

 コメントからは新たに始める仕事への意欲がうかがえると同時に、サッカーに対する真摯な思いが伝わってくる。

 その姿勢はファン・サポーターにも知られるところだ。引退表明後の昨年11月16日、古巣・岡山との対戦したが、その試合後に岡山サポーターに挨拶した際には、大音量で田所のチャントが鳴り響いた。そして横浜FCでも昨年11月24日の愛媛戦後に引退セレモニーが行なわれたが、実に温かな雰囲気に包まれ、サポーターの声援、仲間との抱擁と、スタジアムのそこかしこで、彼の人柄を表すようなシーンが見られた。

 そんな田所が次の道として選んだのが、アカデミーコーチという職。「横浜FCのために力を尽くせることを光栄に思います」という言葉は、在籍していたクラブへの感謝と、どんなときもひたむきにピッチを駆けた田所らしい。