第101回全国高校サッカー選手権の2回戦が31日、各地で行われた。浦和駒場スタジアムでは浜松開誠館(静岡)と大津(熊本)が対戦。浜松開誠館ペースで試合が進んだが、後半アディショナルタイムに大津が追いつき、PK戦も制して3回戦進出を決めた。
上写真=80+4分に同点ゴールを決めた大津の中馬颯太(写真◎福地和男)
■2022年12月31日 全国高校サッカー選手権2回戦(@埼玉・浦和駒場)
浜松開誠館 1-1(3PK4) 大津
得点者:(浜)坂上輝
(大)中馬颯太
西星哉がPKを2本ストップ
前半の終了間際、先制したのは浜松開誠館だった。松本大樹が巧みなドリブルで敵陣中央にボールを運び、鋭い縦パスを送ると、ボックス内で受けた坂上輝がトラップで相手の背後を取って左足を振り抜き、ネットを揺らした。直後にも複数人が絡み、左クロスから今井航がヘッドで狙ったが、これは惜しくも右ポストを直撃。2点目とはならなかったものの、浜松開誠館ペースで前半を終えた。
迎えた後半も流れは劇的に変わらなかったが、アディショナルタイムに大津が昨年の準優勝校の地力を示す。80+4分、ボックス内に送ったロングボールがこぼれたところを途中出場の中馬颯太が蹴り込み、土壇場で試合を振り出しに戻した。果たして勝敗はPK戦に委ねられることとなった。
先攻は大津。1人目はキャプテンの小林俊瑛が務めたが、ゴール右下を狙ったキックは浜松開誠館の守護神、藤村天洸に止められてしまう。そして浜松開誠館も4人目の兼子壮太のキックがGK西星哉に止められて、4人を終えて3-3で並ぶことになった。
互いに重圧がかかる中で迎えた5人目、大津のキッカー、浅野力愛が足を滑らせながらも蹴り込んだのに対し、この試合の先制点を挙げていた浜松開誠館の坂上輝のキックは、年代別代表に名を連ねるGK西星哉に読まれてストップされる。その瞬間、大津の勝ち抜けが決定した。
素晴らしいプレーをみせた浜松開誠館はしかし、つかみかけた勝利をぎりぎりで手放し、一方で大津は土俵際まで追い詰められながらもギリギリのところで勝負強さを発揮し、しぶとく大会初戦をものにして3回戦進出を決めた。