1月10日の第100回全国高校サッカー選手権で、大津(熊本)は初めての決勝を戦ったが、青森山田(青森)に0-4という完敗を喫した。キャプテンの森田大智と仲間たちが、高校ナンバーワンチームに真っ向勝負で挑んだ90分は、未来への大きなステップになる。
上写真=森田大智は初の決勝で敗れて「悔しさしかない」(写真◎小山真司)
■2022年1月10日 全国高校サッカー選手権決勝(@東京・国立)
大津 0-4 青森山田
得点者:(大)なし
(青)丸山大和、名須川真光、松木玖生、渡邊星来
「自分のせいかなと思っています」
「この差を埋められるように頑張りたい」
大津のナンバー10、森田大智は青森山田に0-4で完敗した決勝を、静かに振り返った。シュートはゼロ、攻撃はままならず、後半にはやや盛り返したものの、相手の鋭いプレスを最後まで突き崩せなかった。
「ボールは少しは回せたけど、ブロックを敷かれたら前に進めないと感じました。相手が怖がるパス回しはまったくできなかった」
森田は「自分のせい」だという。
「思った以上に相手のパワーが強かったのと、自分が逃げ腰になってしまったので、自分のせいかなと思っています」
誰が見ても強い青森山田を前に、例えばラインを下げてゴール前を固めたり、5バックでサイドを封じるという手もあったはずだ。しかし、山城朋大監督はそうしなかった。
「うちのダブルボランチで勝負したいというのが、私たちの楽しみなんです。森田も薬師田(澪)も(大学卒業の)4年後にはJリーグに入って、宇野(禅斗)くんや松木(玖生)くんと戦わなければいけません。だから勝負させたいと思って、いままでのシステムで臨みました」
山城監督も大津高にとっても、初めて挑んだ決勝も大事で、そこから先の未来も同じように大切なものだった。だから、自分たちのスタイルを捨てなかった。敗れたが、だからこそ森田の心には未来への炎が湧き上がる。
「ボランチとして自分と薬師田で、松木選手、宇野選手と真剣勝負したくて臨みましたが、その勝負のところろでセカンドボールを回収されてしっかり抑えられてしまいました。悔しいという思いが強いです。この差を埋められるように頑張りたい」
いつか来る勝負の未来のために。この悔しさを忘れるつもりはない。