高円宮杯プレミアリーグEAST第1節が7日に行われ、元日本代表のFW、玉田圭司監督率いる昌平高校(埼玉)が横浜FCユースと対戦した。玉田監督にとってはこれが公式戦初戦だったが、結果は0−1で惜敗。高校サッカーの監督として第一歩を踏み出した玉田監督と昌平高をリポートする。

仲良しグループではいけない

高円宮杯プレミアリーグEAST第1節、昌平高校対横浜FCユースは0−1で横浜FCユースが勝利を飾った(写真◎川端暁彦)

 昌平にはこの日ベンチで隣に座った村松明人ヘッドコーチら、習志野高校時代のチームメイトがズラリと揃う。藤島崇之前監督もやはり習志野時代の盟友であり、その要請を受けて昨年からスペシャルコーチとして週1回程度のペースで指導に通ってきていた。

 そうした経緯もあって今季開幕を前に監督就任を要請され、これを受諾。高校サッカーの新鋭として存在感を増してきた昌平を、元日本代表のスーパースターが率いることとなった。

 また高校時代の仲間たちが集っている環境については頼もしさは感じつつ、「仲良しグループになってはいけないと思っている」とも言う。頭にあるのは、その習志野を伝説的な技巧派チームに仕上げた本田裕一郎監督(当時)のイメージだ。

「本田先生は僕らを自由にプレーさせてくれていたけれど、厳しいところも同時にあった。自然と威厳があって、すごく『かっこいい大人』でした。そういうところは目指していきたいと思っています」

 当時としては異端の超絶技巧系チームだった習志野は「ちょっと今の昌平と似ている」(玉田監督)サッカーを志向していた。ただ、「それだけじゃ勝てないってことを自分ら(習志野OB)は分かっているのでね」と笑った玉田監督は、「チームとして上手いだけじゃない武器を持ちたいし、もっと相手を見てサッカーをできるようにしたい」とも言う。

「1試合ずつ選手が成長していくようなチームでありたい」と語る“玉田昌平”の挑戦が、静かに始まっている。

取材・文◎川端暁彦