郷家友太(MF/青森山田3年生)

今年度は背番号10を背負い、青森山田をけん引する郷家。昨年は果たせなかったインハイ制覇に挑む

数奇なめぐり合わせは、青森山田の10番が抱くインターハイ(インハイ)制覇への思いを一段と強くした。

「準決勝の宮スタ(ひとめぼれスタジアム宮城)でも、決勝のユアスタ(ユアテックスタジアム仙台)でもプレーしたことがあるので、どうにかそういうピッチに、また帰れたらいいなと思う」

郷家にとって最高学年で迎えるインハイは、生まれ育った宮城県が舞台となる。越境入学して世代屈指の司令塔に成長した18歳は、最後の夏を故郷で戦える幸運を手に入れた。

「高校最後の年に、自分の故郷でやれることは楽しみ。自分が住んでいたところから10分くらいで着く会場もある。思い出の残るグラウンドだったり。そういうのも心にとめています」

ただ、この大会を戦う難しさは、誰よりも理解している。「一発勝負は、本当に何が起こるか分からない。一昨年は(高円宮杯)プレミアリーグEASTで準優勝した先輩たちでも、久御山に初戦(2回戦・1-2)で負けて、そのまま帰った記憶もある」。

また、昨年度は2年生ながら青森山田のレギュラーとして、高円宮杯プレミアリーグと高校選手権の2冠を達成したものの、夏のインハイだけは栄光をつかめなかった。

前回大会の準決勝・流経柏戦。頂点へ向け、順調に歩を進めていた青森山田は、先制されるも郷家のゴールで同点とし、試合の終盤に差し掛かった。そして、迎えたアディショナルタイム――。一瞬のスキから決勝ゴール許し、決勝を目前に敗退となった(1-2)。

「昨年は流経柏に、あの試合以外は全部勝っていたんです。けれど、インターハイの1試合で負けてしまった。そういうことがあるので、一発勝負は怖いという感覚がある」

その苦い経験が、教訓となっている。「最初のうちに1点、2点と取れていたら、後の方が楽になる。“1本のチャンスを絶対に決める”という気持ちでシュートを打って、早いうちに勝負を決められたらいい。相手が引けば、なかなか得点が入らない時間帯が続いて、PK戦になったりすることがインターハイではある。やはり一発勝負なので、どれくらいその一本を決められるかというのが勝負になってくる」。

そして、郷家は得点力に磨きをかけた。高円宮杯プレミアリーグEASTでは、得点ランクトップの7ゴールをスコアしている(9節時点)。「彼はずっとチームを引っ張ってきた選手」。注目選手1の項で紹介したインハイ未経験のFW中村駿太は、郷家をそう評する。

「インターハイは、昨年取れなかったタイトル。頑張ります」

故郷でラストピースをつかむため、郷家は最後の夏に挑む。


(取材・構成◎小林康幸/サッカーマガジン編集部)
 

Profile◎ごうけ・ゆうた/1999年6月10日生まれ、宮城県出身。MF。ベガルタ仙台の下部組織で育ち、青森山田高校へ進学。パスやシュートなどのテクニックに加え、ロングスローも武器とする。184cm、74kg

[インターハイ男子サッカー日程]

開会式:7月28日(金)
1回戦:7月29日(土)
2回戦:7月30日(日)
3回戦:7月31日(月)
準々決勝:8月2日(水)
準決勝:8月3日(木)
決勝:8月4日(金)ユアテックスタジアム仙台

※青森山田の初戦は7月30日(2回戦)
vs明徳義塾対東福岡の勝者