上写真＝開始早々の6分、左からのクロスに藤尾翔太がヘッドで合わせて町田がいきなりスコアを動かした（写真◎高野 徹）
■2025年11月22日 天皇杯決勝（観衆31,414人／＠国立）
町田 3-1 神戸
得点：（町）藤尾翔太2、相馬勇紀
（神）宮代大聖
神戸の反撃は1点止まり
初優勝か連覇か。決勝に初めて駒を進めたFC町田ゼルビアと昨年度優勝のヴィッセル神戸が東京・国立競技場で激突した。
試合はいきなり動いた。6分、得意のロングスローで左から押し込んで、ミッチェル・デュークが落としたボールからこぼれたところを中山雄太が拾って突破しクロス、これに藤尾翔太がヘッドで合わせると、ボールはゴール左に転がり込んだ。
先制した町田は厳しい球際のバトルにことごとく勝って、カウンターで仕留めてみせた。32分、クリアボールが右サイドのデュークへと飛び、競り合ってこぼれたボールを藤尾が回収、落としたボールをデュークが左前に展開すると、これに合わせた相馬勇紀が抜け出して冷静に左足でシュート、きれいにゴール右へと吸い込まれた。
高い強度なら人後に落ちない神戸はしかし、なかなか押し返せない。22分の井手口陽介のボレー、27分の宮代大聖の突破、35分の広瀬陸斗のフィニッシュと迫るものの、最後の一押しが足りないまま前半を終えた。
神戸は宮代大聖が1点を返したが…（写真◎高野 徹）
後半開始から神戸はエースの大迫勇也を投入、最前線のこの背番号10を起点にして逆襲の色を鮮明に出そうとした。ところが、さらにスコアを動かしたのは町田のほうだ。
56分、中盤のイーブンボールを拾った林幸多郎が前へ小さく届けると、走り込んだ藤尾がそのままペナルティーエリアの手前から左足を振って、ゴール右に送り込んだのだ。一瞬の入れ替わりから一気にゴールを陥れるスピード感で、ついにリードを3点に広げた。
神戸は62分にようやく反撃を実らせる。左から佐々木大樹がカットインしてニアへクロス、飛び込んだ宮代がヘッドでゴール右に送り込んで、まずは1点を返した。
ただ、ここから町田の集中力はさらに高まり、神戸の攻撃をことごとくはね返した。そして、ついにタイムアップ。町田がクラブ史上初めてメジャータイトルを獲得して歓喜に沸いた。