5月25日の天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会の1回戦で、J3のギラヴァンツ北九州(福岡県代表)と対戦した中国サッカーリーグのベルガロッソいわみ(島根県代表)。途中出場したMF林莞大は隣県の鳥取・米子北高で3年間を過ごし、大学を経て再び山陰地方を舞台に戦っている。高校の先輩と後輩から受けた刺激も力に変えて、クラブが目標に掲げるJFL昇格に貢献するつもりだ。
上写真=64分から途中出場した林。今季ベルガロッソいわみに加入し、高校時代を過ごした山陰地方でプレーしている(写真◎石倉利英)
「あと一歩だったから、すごく悔しい」
0-1とリードされて迎えた64分から途中出場。カテゴリーが2つ上の相手に対して「セカンドボールを拾ったり、相手の中盤の選手をフリーにさせないことを指示されて」同点、逆転を目指した。
後半アディショナルタイムにはCKのチャンスを得るなど懸命に攻め込んだが、最後まで1点が遠く、0-1で完封負け。「あと一歩だったから、すごく悔しいです。Jクラブを相手にできたこと、できなかったことを考えて、次に向かっていきたい」と今後を見据えた。
広島県出身で、サンフレッチェ広島ジュニアユースから米子北高に進学した。早くから出場機会をつかみ、3年時はキャプテンに。新型コロナウイルスの影響でインターハイが中止となる難しい状況で、懸命にチームをまとめた。
卒業後は桃山学院大に進み、今季ベルガロッソに加入して山陰地方に戻ってきた。「1からのスタートで、高校時代の初々しい感じになった」と振り返り、「もっと試合での走行距離を伸ばして、どこにでも顔を出せるようにしなければいけないし、攻撃のクオリティーも上げていきたい」と課題を挙げた。
日本代表に選出されている佐野兄弟の兄・海舟は米子北高の2学年上の先輩、弟の航大は1学年下の後輩で「一緒にプレーしたことがある2人が日本代表に選ばれて、すごく刺激を受けた」という。それも力に変えて、これからも目指すのはチームへの貢献。クラブの目標である「JFLに昇格させたい」との思いを胸に、今後の戦いに臨む。
取材・写真◎石倉利英