ギラヴァンツ北九州GK伊藤剛が、今季公式戦初出場で完封勝利に貢献した。5月25日に行なわれた天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会の1回戦で、相手をシャットアウト。自らもプレーした地域リーグのクラブが格上に挑んでくる意気込みを理解した上で、最後まで安定したプレーでゴール前に立ちはだかった。

上写真=スタメンで今季公式戦初出場となった伊藤。無失点に抑えて2回戦進出に貢献した(写真◎石倉利英)

■2025年5月25日 天皇杯1回戦(@浜山公園陸上競技場:観衆679人)
ギラヴァンツ北九州 1-0 ベルガロッソいわみ
 得点:(北)吉長真優

「相手の気持ちは分かる」

 天皇杯の県予選となる福岡県サッカー選手権大会も含め、今季初めてとなる公式戦出場。「後ろ(守備陣)は無失点で終えること。あとは一つひとつのプレーを、ていねいにやること。欲を見せず、練習からやってきたことを、しっかりやることを意識した」との思いでピッチに立った。

 ベルガロッソいわみはカテゴリーが2つ下の中国サッカーリーグ所属で、しかも地元での試合。九州サッカーリーグのヴェロスクロノス都農など、地域リーグでのプレー経験もある背番号1は「自分も地域リーグ上がりなので、相手の気持ちは分かる。Jリーグのクラブとやるときは、やっぱり気合が入るし、勢いを持って来ることは分かっていたので、なめずに」臨んだという。

 19分にMF吉長真夢が先制点を決めて以降、なかなか2点目を奪えなかったが、「攻撃しているときは、常に後ろが準備して、リスクをケアすることを声掛けで意識していた」と語る。そのまま1-0で勝利を収め、「あまりシュートが来なかったので、ディフェンス陣、フィールドの人たちが本当に頑張ってくれたことが、無失点につながったと思う」と感謝した。

 加入1年目の昨季は明治安田J3リーグで最後の5試合に続けて先発するなど、計7試合に出場。だが今季はジュビロ磐田からの期限付き移籍で加入したGK杉本光希が、リーグ戦全試合にフルタイム出場している。

 この日の出来には「最低限のパフォーマンスはできたと思う」と手応えのコメント。その上で「また激しい競争があって、それを勝ち抜かないと試合には出られない。GK陣で切磋琢磨するだけなので、練習から頑張っていきたい」と決意を新たにしていた。

取材・写真◎石倉利英