第104回天皇杯決勝が東京・国立競技場で行われた。71年ぶりに関西勢同士決勝となった一戦は、ヴィッセル神戸がガンバ大阪を1−0で下し、2019年以来2度目の戴冠を果たした。一方、21日の練習で右ハムストリングを負傷した宇佐美貴史を欠くG大阪は最後まで攻めの姿勢を貫いたものの、一歩及ばず。2015年度以来のタイトル獲得はならなかった。

上写真=2019年以来、5大会ぶりに天皇杯を掲げたヴィッセル神戸(写真◎小山真司)

■2024年11月23日 第104回天皇杯決勝(観衆56,824人@国立競技場)
G大阪 0ー1 神戸
得点:(神)宮代大聖

71年ぶりの関西勢対決は神戸が制す

 球際バトルも、切り替えの早さも、ゴールに向かう意欲も、両チームがピッチで繰り広げる攻防はカップファイナルにふさわしい激しいものだった。

 それでも前半はスコアが動かず、迎えた後半の64分。神戸が均衡を破る。左サイドのスローインからだった。

 一度、自陣に下げたボールをGK前川が前線の大迫へ。武藤が引き取ってボックス左に進入しシュート。こぼれ球を宮代が押し込み、神戸がリードを奪った。

 1点を追うことになったG大阪は1トップだった坂本がトップ下にポジションを移し、途中出場ウェルトン、ファンアラーノ、ジェバリがフロントラインを構成し、攻勢をかけた。76分にはファンアラーノの右クロスをドンピシャのタイミングで飛び込んだダワンが頭でとらえたが、シュートは枠の右へ。ビッグチャンスを逸してしまった。

 その後もG大阪はピッチ幅を広く使って攻めていったが、神戸も中をきっちり締めてゴールは許さず。残り10分もG大阪が敵陣でプレーする展開となったものの、神戸の選手たちはポイント心得た守りで決定機をつくらせなかった。

 6分のアディショナルタイムも集中力を切らすことなく守り切った神戸は2019年度以来、5大会ぶりに天皇杯に優勝。機を逃さない攻めと粘り強くタフな守りで、2度目戴冠を達成した。

 J1リーグでも残り2試合の時点で首位に立つ神戸はこれで国内二冠、リーグ連覇という偉業に王手をかけた。クラブ史にさらなる栄光を刻む準備を整えている。