世界の目を自分たちに向けさせたい
2023年1月にG大阪に加入し、今年で4シーズン目を迎えた(写真◎ガンバ大阪)
事実、浦項戦を機に10番に定着した彼は、以降も再三にわたって攻撃の起点に。前線でボールを収める役割を十二分に担いながら、縦に速いサッカーを加速させ、再三にわたって得点を演出してきた。ACL2の準決勝、バンコク・ユナイテッド戦で自身が奪ったPKでの2得点目を含め、3得点全てに絡む活躍を見せたのも特筆すべき出来事だ。ビハインドを負って乗り込んだアウェイ戦、タイ特有の暑さ、そして連戦という状況をものともせずジェバリは90分間、フル稼働。34歳という年齢を感じさせないパフォーマンスを示し続けた。
「バンコクとのアウェー戦は相手がホーム戦ほど引いて守備を固めてこない戦術を取ったこともあり、かつ、僕たちが先制点を奪えたことで流れを掴めました。先制直後にPKを獲得し、立て続けに2点目を取れたのも効果的だったと思います。もちろん今シーズン、取り組んでいるサッカーは僕に限らず、決して体力的には簡単ではないです。正直に言えばこの歳になって、フィジカル的にガタがきているのを感じる瞬間があるのも認めます(笑)。
ただシーズン前の『ヨーヨーテスト』でチームでも安部柊斗、池谷銀姿郎に続く3番目の数字を出せたのは自信になったし、1試合毎のデュエル数も決して悪くない数字だと思っています。それを踏まえても、自分の体が耐えてくれる限りはしっかり戦い続けるだけだと考えていますし、もし耐えられずにケガをしてしまったら…それは治せばいいだけの話です。何が言いたいか? とにかく僕が考えているのは今を精一杯でやり抜くことだけ。それが必ずガンバの力になると信じて決勝に臨もうと思います」
決勝の相手はサウジアラビアリーグで首位を走るアル・ナスルFC。クリスティアーノ・ロナウドを筆頭にヨーロッパで活躍してきたスター選手を数多く揃える強豪だ。悲願の『タイトル』をつかむために、どう立ち向かうのか。
「ACL2の決勝を戦えるのはクラブ、選手にとってすごく光栄だし、日本のサッカーがアジアでトップクラスにあることを証明する格好の機会だと受け止めています。決勝戦は厳しい戦いを勝ち進んできたチーム同士の試合で、そういった舞台で何が大事なのかを言葉に変えるのはすごく難しいです。何が起きるかわからないのが決勝だからです。
約束できるのは、僕たちが全力でタイトルを獲りにいくことだけです。相手の勝利を予想している人も多いかもしれませんが必ずそれを覆し、世界の目を自分たちに向けさせたいと思います。そのためには当たり前のことですが作り出したチャンスを相手より多く、ゴールに繋げるだけです。無闇に前に運ぶばかりではなく、よりスマートにどこで繋ぐのか、どこで起点になるべきかを考えてプレーしようと思っています」
愛するチームのために、勝利を目指す。
「ガンバにまつわるすべての人がどれだけ僕を愛してくれているのか、そして自分がどれだけガンバを愛しているのかは、このクラブに在籍している年数でお分かりいただけると思います。正直、加入したばかりの頃はこれほどまでにガンバを愛することになるとは思っていませんでしたが、結果的にガンバは僕の心を離してくれません。家族も子供たちもクラブに、住んでいる街に愛着を持っていますし、大阪での暮らしを気に入っています。妻は時々『家を買っちゃう?』と提案してくるほどです。そんな気持ちにしてくれたガンバ、サポーターの皆さんのためにも僕はとにかく何かしら形になるもの、『タイトル』を、このクラブの歴史に刻みたい。ACL2決勝はその一心で戦います」
自分で選んだ道を自らの手で正解へと導くためにーー。『想い』を込めたチャレンジの結末が、明らかになろうとしている。
取材・文◎高村美砂[フリーランスライター]