上写真=2試合合計2−3で敗れた神戸。第1戦のリードを生かせなかった(写真◎Getty Images)
■2025年3月12日(@光州)
光州 3−0(延長) 神戸
得点:(光)パク・ジョンイン、ヤシル・アサニ、
※延長戦の末、2試合合計3−2で光州が準々決勝進出。
ボールを持たれる苦しい展開
ホームの第1戦を2−0で快勝した神戸は0−1で敗れても勝ち抜けるという優位な条件を手にして敵地の第2戦に乗り込んだ。
しかし光州にボールを握られ、苦しい戦いを強いられると、18分に自陣右サイドのFKからパク・ジョンインにヘッドを決められてしまう。その後も押し込まれる展開が続いたが、前半はなんとかしのいで、1点差で終えた。
残り45分を無失点で終えれば準々決勝進出が決まる神戸だったが、ボールを持たれ続け、走らされる展開になってしまう。前半の40%に満たないボールポゼッションを大幅に回復することもできなかった。
それでも終盤まで高い集中力で耐えていたが、82分に右からのクロスを空中で競り合った岩波拓也の手にボールが当たり、ハンドを取られてしまう。光州にPKを与えると、これをヤシル・アサニに決められ、2試合合計で2−2と追いつかれた。
試合終了間際の87分には井手口陽介のシュートが佐々木大樹に当たり、ネットを揺らしたが、これはハンドを取られてノーゴールの判定。90分の試合はそのまま光州の2−0で終わり、2試合合計2−2とされ、延長戦を戦うことになった。
延長戦前終了直前にはクロスからパク・インヒョクにヘディングシュートを許すが、GK前川黛也が鋭い反応で弾き出し、ゴールは許さず。延長後半108分にもゴール前でフリーになっていたヤシル・アサニにシュートを打たれたが、扇原貴宏が体を投げ出してブロックし、失点を防いだ。
光州の波状攻撃を高い集中力で防いでいた神戸だったが、延長後半終了直前の118分に一瞬の隙をつかれてしまった。ヤシル・アサニに決められて2−3と勝ち越される。無常にも試合はそのままタイムアップ。神戸は初戦のリードを生かせず、ラウンド16で敗退することになった。
神戸は本来、リーグステージを上位通過し、ホーム・アンド・アウェーで行われるラウンド16では第2戦をホームで行えるはずだった。だが、山東泰山が最終節(第8節)直前に大会撤退を表明したことで、規定により同チーム絡みの記録がすべて無効となると、リーグステージの順位を5位まで落とすことになった。結果、ラウンド16は第1戦をホーム、第2戦をアウェーで戦うことになってしまった。
むろん、今回の第2戦を0−1以内で終えていたら神戸の勝ち抜けだったのだが、第1戦をアウェーで、第2戦をホームで戦った東地区1位の横浜FM、2位の川崎Fはともにベスト8に進出している。その事実を踏まえると、山東泰山の突然の棄権によって、ある種の『優位性』を失ったことはやはり痛かったのかもしれない。