AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)準々決勝第2戦が3月12日に行なわれ、サンフレッチェ広島がアウェーでセーラーズ(シンガポール)と対戦した。第1戦での大勝から一転、没収試合による3点のビハインドで敵地に乗り込んだ広島は、先制されたものの追いついて迎えた後半、10人での戦いを強いられることに。懸命に反撃したが追加点は奪えず、無念の敗退となった。

上写真=広島は10人となった後にMF越道草太を前線に投入するなど反撃を期したが、没収試合によるビハインドをはね返せなかった(写真は2024年のACL2/サッカーマガジン)

■2025年3月12日 ACL2準々決勝第2戦(@シンガポール)
セーラーズ 1-1 広島
 得点:(セ)レンナルト・ティー
    (広)中島洋太朗

ジャーメイン良が退場となって10人に

 広島は3月5日にホームで行なわれた第1戦で6-1の大勝を収め、準決勝進出へ大きなアドバンテージを得たかと思われた。しかし後半に途中出場で広島デビュー、1得点も挙げた新外国籍選手のFWヴァレール・ジェルマンが、前所属のマッカーサーFC(オーストラリア)時代の出場停止処分を消化しておらず、出場資格を有していなかったため、没収試合に。0-3の敗戦扱いとなり、アウェーでの第2戦に臨んでいた。

 準決勝進出のためには少なくとも3得点が必要だった広島は、5-4-1の布陣で堅守速攻を狙うセーラーズに先制点を奪われる。20分、ロングボールへの対応でDF荒木隼人が競り負けたところから、FWレンナルト・ティーに右足で決められた。

 前後半とも飲水タイムが設けられる高温多湿の中、広島は反撃に転じたものの、なかなか良い形を作れなかった。それでも34分にゴール前正面でFKを獲得すると、MF中島洋太朗が直接決め、ビハインドを3点に戻す。43分にはDF中野就斗の右からのセンタリングを、FW加藤陸次樹がオーバーヘッドキックで合わせるチャンスがあったがGKの正面を突き、1-1で前半を終えた。

 後半開始から中野に代えてMF新井直人を投入し、右サイドを入れ替えた広島は、49分にMF田中聡が左ポストに当たるシュートを放つなど良い形を作りつつあった。ところが51分、ゴール前での相手選手と競り合いでFWジャーメイン良が退場処分を受け、10人での戦いを余儀なくされてしまう。

 広島はその後、選手交代に加え、早い時間からDF佐々木翔を前線に上げてサイド攻撃と空中戦に活路を見いだそうとしたが、最後まで追加点を奪えず引き分け。最高の形で第1戦を終えたと思われただけに、何ともやりきれない無念の敗退となった。