現地25日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦、アル・アイン(UAE)対横浜F・マリノスが行われた。第1戦で勝利し、アドバンテージを持って敵地に乗り込んだ横浜FMだったが、退場者を出すなど難しい展開となり、1−5で完敗。2試合合計は3−6となり、悲願のアジア制覇はならなかった。

上写真=横浜FMはアル・アインのFWラヒミに苦しめられた(写真◎AFC)

■2024年5月25日 ACL決勝第2戦(@UAE・ハッザーアビンザイード)
アル・アイン 5−1 横浜FM
      6合計3
得点:(ア)ラヒミ2、カク、ラバ2
   (横)ヤン・マテウス

ラヒミに翻弄され、苦しむ

 ホームの第1戦で2−1の逆転勝利を飾り、アドバンテージを持って敵地に乗り込んだ横浜FMだったが、試合の入りに失敗してしまう。

 プレスがかからずアル・アインの選手に背後を突かれると、8分にラヒミに先制を許す。33分にはCB畠中がボックス内でラヒミと接触し、PKを献上。これをカクに決められて0−2とされ、2試合トータルスコアでも2−3と上回られることになった。

 それでも40分、ヤン・マテウスが鋭いアプローチで相手の左CBクアディオからボールを奪うことに成功。そのままシュートをねじ込み、横浜FMは1点を返した。相手のスキを突いてトータルスコアを3−3としたことで試合の流れを寸断したかに思われたが、前半のアディショナルタイムに予期せぬ事態に陥る。

 スルーパスに抜け出したラヒミに対応するために前に出たGKのポープ・ウィリアムがボックスの外で交錯し、倒してしまう。得点機会の阻止で、一発退場。横浜FMは一人少ない状態で戦うことになった。

 後半は必然的に相手にボールを持たれ、自陣ゴール前で耐える時間が長くなる。ホームで行われた蔚山現代との準決勝第2戦では10人となりながらも粘り強く戦い、PK戦の末に決勝進出を果たしたが、アウェーの地でその再現をするのは難しかった。

 63分に負傷でCBの畠中がエドゥアルドと交代。一瞬たりとも気が抜けず、ギリギリのプレーで相手の攻撃を防いでいた横浜FMの守備陣は、またもアクシデントによって変化を求められることになる。このタイミングでキャプテンの喜田も山根に交代。その直後の67分だった。

 アルアフバビのクロスをゴール前で上島が弾き返したが、ボックス左でラヒミに拾われ、永戸が外されてシュートを決められた。

 トータルスコアで再び逆転を許し、追い詰められた横浜FMだが、攻めに出るのは難しかった。数的不利の状況はいかんともしがたく、単発のカウンターしか攻めの糸口がない状態が続いた。79分に疲れの見えたヤン・マテウスに代えて宮市がその役割を担ったものの、アル・アインはボールを動かしながら横浜FMの選手たちの体力を削り、攻め気を削いでいった。

 アディショナルタイムの90+1分には退場したポープ・ウィリアムに代わって途中からゴールを守っていたGK白坂のミスからラバに決められ、さらに90+5分にも決められて2失点。1−5とされて万事休す。横浜FMは先勝し、悲願のアジア王者にあと一歩と迫りながらタイトルを手にすることができなかった。

▼出場メンバー
・アル・アイン◎GKエイサ、DFアルアフバビ、アルハシェミ、クアディオ、ジュマ(58分:ラバ)、MFナデル(89分:ワリード)、パク・ヨンウ、パラシオス、FWカク、ラヒミ、アルバルーシ(84分:バルマン)

・横浜FM◎GKポープ・ウィリアム(45+10分➔退場)、DF松原健、上島拓巳、畠中槙之輔(63分:エドゥアルド)、永戸勝也、MF渡辺皓太、喜田拓也(63分:山根陸)、植中朝日(46分:榊原彗悟)、FWヤン・マテウス(78分:宮市亮)、アンデルソン・ロペス、エウベル(45+14分:白坂楓馬)

GKポープ・ウィリアムの退場が試合の流れを決めた(写真◎Getty Images)