AFCチャンピオンズリーグはいよいよ準決勝を迎え、4月17日に第1戦を行った。東地区では横浜F・マリノスが勝ち上がり、韓国王者の蔚山現代とアウェーで対戦。緊張感あふれる攻防に見応えがあった90分は、19分に先制した蔚山が逃げ切った。

上写真=横浜FMはGKポープ・ウィリアム(右)が再三にわたってスーパーセーブを披露した(写真◎AFC)

■2024年4月17日 AFCチャンピオンズリーグ準決勝第1戦(@蔚山文殊)
蔚山現代(韓国)1-0 横浜FM
得点:(蔚)イ・ドンギョン

「必ずチームを勝たせるプレーができるように」

 キックオフから一進一退の攻防が続くが、チャンスになりそうなシーンの数はやはりホームチームが多かった。ワンタッチパスでプレスをかわしてスペースへ展開するリズムが軽快で、横浜FMを押し込んでいく。

 横浜FMはGKポープ・ウィリアムの好セーブもあって持ちこたえていたが、ついにゴールを許した。19分、横浜FMの右からイ・ミョンジェが中央へ、チョ・ミンギュにポストプレーでていねいに流され、イ・ドンギョンに左足できれいに合わされて先制されてしまう。

 26分にはヤン・マテウスが一人で持ち込んでからミドルシュート、GKチョ・ヒョヌに防がれたものの、これが逆襲の合図になった。ここから横浜FMがボールを動かして試合をコントロールしていき、相手陣内で過ごす時間が長くなった。

 後半に入ってもその力関係は変わらず、チャンスを増やしていく。59分に右サイドを細かく崩して植中朝日が折り返すが、アンデルソン・ロペスが合わせきれない。ただ、その流れから、1分後には右からの松原健の横パスを中央で渡邊泰基が受けてアンデルソン・ロペスに流し、反転して左足で狙ったものの、枠を外れた。

 蔚山も時折見せる両ワイド、右のオム・ウォンサンと左のグスタフ・ルドウィグソンのサイドアタックで鋭く横浜FMを脅かした。67分にはカウンターからそのオム・ウォンサンが右を飛び出して中へ届け、最後はチョ・ミンギュのシュートは左ポストへ。直後にまたもカウンターから、イ・ドンギョンが右すみを狙ったが、ウィリアムが触って右ポストに当たった。72分にはまたもや右のオム・ウォンサンの突破からクロス、ゴール正面の至近距離からチョ・ミンギュがヘディングシュートを放ったが、またもウィリアムが反応してかき出すビッグセーブを見せた。

 81分には左サイドでナム・テヒがボックス内に短く差すと、古巣対戦となった天野純が意表を突いたクロス、逆サイドからヤン・マテウスがフリーで入ってきて至近距離から左足を伸ばしたが、無常にもボールはバーの上へと跳ね上がってしまった。これが最大のチャンスだった。

 結局このまま1-0で蔚山が先勝。ウィリアムは「前半失点してしまったが、僕自身で防げる失点だった。僕のスキルの問題で、この敗戦に責任を感じる」と厳しい口調になった。しかし、まだわずか1点差。「必ず次は勝てるように、僕自身も必ずチームを勝たせるプレーができるようにいい準備をしたい」と誓った。その運命の第2戦は4月24日19時から、横浜国際総合競技場で行われる。