バンコク・ユナイテッド(タイ)を倒して、横浜F・マリノスが初めて挑むAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝。相手は川崎フロンターレを破った山東泰山(中国)だ。3月6日の第1戦はアウェーゲームとなったが、2-1のスコアで先勝した。第2戦は13日に横浜国際総合競技場で行われる。

上写真=ヤン・マテウス(右)が69分に追加点を決めて、アウェーで大きな勝利を手にした(写真◎Getty Images)

■2024年3月6日 AFCチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦(@済南)
山東泰山(中国) 1-2 横浜FM
得点:(山)チェン・プー
   (横)アンデルソン・ロペス、ヤン・マテウス

「すごくいいパフォーマンスを見せることができた」

 両者はグループステージで対戦していて、横浜F・マリノスは2023年10月にアウェーで1-0、12月にホームで3-0と連勝している。ただ、シーズンをまたいでお互いに陣容を変えての再戦となった。

 5カ月ぶりに再び済南のスタジアムに登場した横浜FMの選手たちは、いきなり躍動した。左サイドバックに入った渡邊泰基からのパスを下がりながら低い位置で受けたアンデルソン・ロペスが、そのまま強引に仕掛けた。中央をドリブルで割って入り、一度は引っ掛かるものの加藤蓮が反応しシュート、これもブロックされるが、こぼれ球を拾ったアンデルソン・ロペスが落ち着いて相手をかわしてゴール左に流し込んだ。7分の先制ゴールだ。

 こうなると、ホームの山東泰山は強気に攻めに出る。横浜FMが耐えながら、チャンスをうかがう展開になったが、その我慢が実ったのが、69分のこと。ヤン・マテウスが中央から左のエウベルに預け、エウベルが仕掛けると見せかけて、もう一度ヤン・マテウスへ。ワンタッチで優しくていねいにシュートを放つと、目の前のDFのかすめてゴール右に転がり込んだ。

 このゴールの直後に再び山東泰山がパワーで迫ってきてゴール前に釘付けにされるものの、徐々に押し戻して再び相手陣内へ。しかし、90+1分、相手のハイパント攻撃から最後はチェン・プーにボレーで押し込まれて、1点を返された。

 このあと、それぞれのベンチにレッドカードが提示されるなど荒れ模様にもなったが、最後は相手のパワープレーにも集中して試合を運び、終了のホイッスルを聞いた。

 殊勲のヤン・マテウスは試合直後でも、「後半」となる1週間後のホームゲームに集中していた。

「チームとしてはすごくいいパフォーマンスを見せることができた。このパフォーマンスならもっと点を決められたし、チャンスをものにできたと思う。でもまだホームで試合があるので、全員で集中して頑張りたい。次もタフな試合になると思うけれど、ホームでファン・サポーターの後押しがあると思うので、全体で準備して集中して、今日以上のパフォーマンスを見せられればと思う」

 準決勝進出に向けてもぎ取った大きな1勝。3月13日19時、ホームで迎え撃つ。