AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第4節で11月8日、J組の浦和レッズは浦項スティーラーズ(韓国)とのアウェーゲームに臨んだ。ルヴァンカップ決勝とJ1首位のヴィッセル神戸との試合に挟まれた形の難しい一戦で、先制したものの退場者を出して悔しすぎる逆転負けを喫した。

上写真=アシストしたエカニット・パンヤと決めたホセ・カンテを中心に先制点を喜ぶ(写真◎Getty Images)

■2023年11月8日 ACLグループステージ第4節(@浦項)
浦項スティーラーズ(韓国)2-1 浦和レッズ
得点:(浦項)ゼカ、キム・インソン
   (浦和)ホセ・カンテ

スコルジャ監督も退場処分に

 ルヴァンカップ決勝で戦ったアビスパ福岡に史上初のタイトルを献上することになった4日後のアウェーゲーム。相手は、前回対戦ではホームで0-2で屈した首位の浦項スティーラーズ。しかも、11月6日にはキャプテンの酒井宏樹が右膝半月板損傷で手術を受けて全治3カ月と発表された。

 いわば「三重苦」。だが、戦わないわけはない。キックオフから小気味よくプレスをかけてゴールに迫る勢いが、36分に実を結んだ。

 荻原拓也が自陣左の深くで相手のパスをカット、素早く前の小泉佳穂に渡すと、相手のブレスをかわしてさらに左の前線に送り込んだ。走って受けたエカニット・バンヤがじっくり持ってから中央に流し込むと、ホセ・カンテがコントロールしてから左足でグラウンダーのシュートを放ち、DFの股を抜いてゴール右にていねいに蹴り込んだ。

 だが、浦項が後半開始から3人を入れ替えて反撃を試みると、浦和にとって不運な形で同点ゴールを許してしまう。

 浦和の右からのセンタリングをマリウス・ホイブラーテンがクリアしたが、主審がオンフィールドレビューを行い、ハンドの反則があったとして浦項にPKを与える判定に。ゼカに決められて、66分に追いつかれた。

 さらに襲いかかったのが、退場処分。中盤のコンタクトプレーでVARが介入し主審がオンフィールドレビュー、明本考浩のタックルが危険なプレーだとして、最初の警告の判定を変更して、72分にレッドカードを提示した。

 しかし、10人になってもひるまなかった。浦項の攻撃を抑え込んではゴールを目指した。むしろ、勢いは浦和にあった。アディショナルタイムの目安は9分と長く、アウェーで勝ち点1を確実なものにしながら、勝利も狙うマネジメントで試合を進めた。

 しかし、90+4分についにゴールを割られた。浦和の左からのセンタリングにGK西川周作が反応してはじくが、詰めてきたキム・インソンにそのまま蹴り込まれた。

 90+7分には荻原のパスを受けたブライアン・リンセンが至近距離から狙うが、わずかに右へ。90+8分にはマチェイ・スコルジャ監督が突然、退場処分を受けるアクシデントもあり、90+10分にはGKが弾いたボールを岩波拓也がダイレクトで狙うが左へ。最後まで90+11分にホイッスルが鳴って、浦和は悔しい逆転負けを喫した。

 岩尾憲は「悔しいです」とかみ締めるように振り返った。

「前半からチャンスを作って1点を取れたのは良かったですけど、2点、3点と取れずに自分たちでリズムを失ってしまって、非常にもったいない失点をしてしまいました」

 浦項はこれで無傷の4連勝で勝ち点12の首位。浦和は浦項相手の連敗が痛く、勝ち点4に甘んじている。残りは2試合で最大でも勝ち点は10にまでしか伸びないため、首位通過の可能性は消えた。それれも、2位の中の成績上位チームを目指して戦い続ける。