AFCチャンピオンズリーグ(ACL)はグループステージ第2戦を迎え、10月3日に川崎フロンターレは韓国の蔚山現代をホームに迎えた。厳しい守備と高い連係の攻撃に定評のある強敵に対し、攻めあぐねる苦しいゲームになったが、89分にキャプテンの橘田健人がミドルシュートを突き刺して、連勝を飾った。

上写真=決勝点を決めたのは、キャプテンの橘田健人!(写真◎Getty Images)

■2023年10月3日 ACLグループステージ第2節(@等々力)
川崎F 1-0 蔚山現代(韓国)
得点:(川)橘田健人

「思い切り振りにいきました」

 我慢の試合で、キャプテンが「ゴール」という形で勝利をもたらした。

 89分、相手のGKからのキックを大南拓磨がヘッドで前へ、遠野大弥が受け、脇坂泰斗、山根視来とつないで右から押し込み、中央で遠野が冷静に後ろに落とすと、そこに橘田健人。右足を思い切り振って、ゴール左に突き刺した。ついに先制だ!

「ボールを受ける前からゴールを狙っていて、いい落としが来たので思いきり振りにいきました」

 チャーミングな笑顔がこぼれる。

 この最終盤までは苦しんだ。相手のタフな球際は想定済みだが、前半は0-0。後半に入っても攻めあぐねた。67分には右サイドで相手のパスミスを狙った山根がワンタッチで前へ、レアンドロ・ダミアンが切り返して右に出て右足を振ったが、GKにセーブされてしまう。75分には瀬川祐輔から中央で受けた脇坂がうまく前に出て左足で狙ったが、GKの正面へ。その前後で、宮代大聖、遠野大弥、山田新、バフェティンビ・ゴミスと攻撃的な選手を立て続けにピッチに送り込んで、1点を狙った。

 そして、ついにこじ開けたのが、89分のそのシーンだったというわけだ。

「すごくいいコースにいってくれた」と振り返る橘田は、キャプテンとして「苦しい時間はあったんですけど、チーム全員で最後まで戦おうと声をかけながら、本当に全員が戦ってくれたので、勝つことができたと思います」と一丸で向かっていった勝利だと強調した。

 過去9試合で一度しか勝てなかった蔚山に、ホームで見事な勝利。鬼木達監督も「これまで勝てなかったのは自分の責任が大きい」と苦笑いしながらも、「守備の堅いチームですので、焦れずにやり続けること、自分自身も焦れることなく信じて戦っていました」と、うまくいかなくても揺るぎなく戦うハートの強さを褒め称えた。