2月22日の明治安田J2・J3百年構想リーグEAST-Aで、ベガルタ仙台が3連勝を飾った。今季初めて先制を許しながら逆転に成功したが、勝利に導いたのはルーキーの鮮やかな一発。杉山耀建がうれしいプロ初ゴールでヒーローになった。

上写真=杉山耀建が最高の笑顔。カットインからきれいに右に蹴り込んだ(写真◎J.LEAGUE)

「キュ、キュッとかわすドリブル」

 ベガルタ仙台、3連勝!

 開幕戦で栃木シティに4-1で完勝、続く第2節では横浜FCに1-0で逃げ切りに成功し、迎えた第3節は栃木SCと対戦。22分に今季初めて先制ゴールを許すスタートになった。

 しかし後半に反撃し、69分に右CKから岩渕弘人のヘディングシュートで追いつくと、6分後には逆転だ。

 ハーフウェーライン手前から菅田真啓が左サイドへロングパス、杉山耀建がぴたりと止めるとそのままカットインして、1人、2人と軽快にかわすと右足で力強くシュート、これが鮮やかにゴール右に飛び込んだ。

 これで、すべてアウェーという難しい開幕3連戦をすべて90分勝利で乗り越えてみせた。勝ち点9でブラウブリッツ秋田と並ぶが、得失点差で上回り、J2・J3のEAST-Aで首位に立っている。

 劇的な決勝ゴールを挙げた杉山は、今季中央大学から加わったルーキー、開幕から3戦連続でスタメン起用された期待に応えた。3-5-2システムの右ウイングバックで出場し、後半途中の交代策によって左のシャドーにポジションを移したあとに生まれた一発で、森山佳郎監督の狙いが当たった。

「点を決めた瞬間は興奮してよく覚えていません」

 殊勲の杉山はうれしいプロ初ゴールをそう表現したが、その直前は冷静だった。

「トラップが決まって初めはクロスを上げようと思っていたら、間合いがあって相手が食いついて来たので、かわして入っていったら自然にシュートした感じでした」

 ボールを受けてからフィニッシュまでに判断を変える余裕があったことを明かした。

 それはまさに、森山監督が「プレーに落ち着きがあって良い判断ができる」と評した通り。自分の特徴をしっかり発揮したワンプレーだった。

 この日も立ち上がりから、ボールを受けると落ち着いて的確なプレーを繰り返して、森山監督が評する「キュ、キュッとかわすドリブル」という武器で何度かチャンスを作っていた。それがなかなか得点には結びつかなかったが、最も重要な場面で結果につなげたことは大きな自信になるだろう。

 今季の仙台にとって、ファジアーノ岡山から加わった岩渕の得点感覚、ユースから昇格したまだ18歳の古屋歩夢のゴールへの貪欲なプレーとともに、新たな攻撃のプラス材料になることを証明した。

 中央大時代にU-20関東選抜に選ばれて好プレーを見せたが、4年生となった昨シーズンは負傷などで後期には出場機会が限られた。それもあって、仙台のほかのチームからは「声がかからなかった」というが、プロ契約を勝ち取った東北の雄で開幕からスタメン出場の機会もつかんで好スタートを切った。

 今後の成長がさらに楽しみな素材であることは間違いない。次はようやくホーム開幕戦。ヴァンラーレ八戸を迎える一戦で、注目のルーキーがユアテックスタジアム仙台に姿を現す。

文◎国吉好弘