12月27日、全国各地から46チームが参加する「第28回波崎ユースカップ」の大会3日目が茨城県神栖市のサッカータウン波崎にて行われ、鹿島アントラーズユース、湘南工科大学附属高、武南高、東京実業高がベスト4進出を決めた。

上写真=準々決勝の東福岡戦で先制点を決めた鹿島ユースの吉田湊海(写真◎髙野徹)

新年度に向けたスタートの大会

 今年で28回目を迎えた波崎ユースカップは1997年に産声を上げ、コロナ禍の影響で規模を縮小した2020年を除き、毎年この時期に開催される大型サッカーフェスティバルだ。今大会には、北は北海道から南は九州まで、全国各地から46チームが参加している。

 唯一のクラブチームとして参加する地元の鹿島ユースは、今月21日に埼玉スタジアムで行われた高円宮杯U-18プレミアリーグファイナルを制し、「高校年代日本一」の称号を10年ぶりに獲得。同大会で3年生が有終の美を飾り、この波崎ユースカップから新チームが始動している。

 先日、クラブ史上初めてユース所属でプロ契約を締結したFW吉田湊海、DF元砂晏翔仁ウデンバ(ともに高校2年生)も出場するなど、新チームのベストメンバーが顔をそろえる鹿島ユースは、決勝トーナメント1回戦で流通経済大学付属柏高(千葉)に9-1で圧勝。東福岡(福岡)との準々決勝も2-0で勝利し、順当にベスト4進出を決めた。

プロ契約締結が発表された鹿島ユースの元砂晏翔仁ウデンバ(写真◎髙野徹)

 高体連からも強豪が参加しており、今大会では尚志(福島)、鹿島学園(茨城)、流経大柏、日大藤沢(神奈川)、東福岡の5校が、28日に開幕する第104回高校選手権に出場する。これらのチームは選手権のメンバーに入っていない1・2年が今大会に出場しているが、それ以外の多くは新年度の「Aチーム」で参加しており、埼玉県の古豪・武南高もその一つだ。

 埼玉県予選決勝で昌平に敗れ、19年ぶりの選手権出場を逃した武南だが、その決勝に先発したMF小山一絆ら2年生レギュラーが多く、内野慎一郎監督が「1年生のときから面白かった」と期待を寄せる学年が新チームの主力となる。今大会でも自慢のパスワークで得点を量産し、準々決勝ではFW渡邉柊羽のハットトリックなどで翔凜(千葉)に9-1で大勝。内野監督は「鹿島ユースと対戦できるのは決勝なので、なんとか準決勝も勝って、鹿島相手にどこまでできるかを見てみたい」と最終日への期待を語った。

中盤の底で攻撃を組み立てる武南の小山一絆(写真◎髙野徹)

 大会最終日となる28日は、鹿島ユース-湘南工科大学附属(神奈川)、武南-東京実業(東京)の準決勝がまず行われ、その勝者2チームによる決勝は、矢田部サッカー場Aコートにて12時キックオフ予定となっている。