上写真=PK戦6人目、GKから見て右へのキックを木塚が見事にストップ! 決勝進出に大きく貢献した(写真◎石倉利英)
「しっかり最後まで見て」
近年は大学の準体育会・同好会・サークルの日本一を決める大会と位置付けられ、代々の選手・女子マネジャーに『マガ杯』『マガジン杯』の愛称で親しまれているサッカーマガジンカップ。準決勝で奥ヤマンチェスター夢テッ斗と対戦した同志社大学三ツ葉キッカーズAは、前半に先制したものの、56分(30分ハーフ)に失点し、持ち込まれる形で1-1からのPK戦に突入していた。
5人ずつ全員が成功し、迎えた6人目の先攻で三ツ葉キッカーズGK木塚がセーブ。それまではキックと逆に跳ぶことが多かったため、「しっかり最後まで見て、そこから判断しようと決めました。うまくいってよかった」と振り返るPKストップだった。
殊勲の背番号21は、そのままボールを持ってペナルティーマークへと歩き、6人目のキッカーに。普段の順番は最後で、今回も6人目に蹴ると決まっていたわけではなかったが、「決めたら勝ち、という状況になったら自分が蹴ろうと思っていました」。サッカーマガジンカップに『現役』として参加する最後の学年である3年生で、「3年生が責任を持って蹴るべきだと思った」というキックを見事に決めると、駆け寄ってきたチームメイトの歓喜の輪の中心となった。
草津東高(滋賀)時代に高校選手権の登録メンバーとなったが、控えで出場機会はなく、「上には上がいることが分かったので、他で活躍できるところを探そうと思って」三ツ葉キッカーズでのプレーを選択。3年生で迎えた集大成のサッカーマガジンカップで、ファイナルへの切符をつかんだ。
創設当初からサッカーマガジンカップに参加している三ツ葉キッカーズだが、これまでの最高成績は準優勝。近年でも2018年にBチームが、2023年にはAチームが決勝で敗れており、12日の決勝は悲願の初優勝、関西勢としても初制覇を狙う戦いとなる。
170センチの小柄な守護神は「今回は大会を通じて良い試合しかしていない。決勝も自信を持ってプレーできたら絶対に勝てる」ときっぱり。日本一に向けて「やり切るだけです」と意気込んでいた。
取材◎石倉利英 写真◎高野徹、石倉利英