上写真=同点ゴールを決めた櫻井が最高の笑顔! 少ないチャンスを生かして結果を残した(写真◎石倉利英)
「抜けてくれてラッキーでした」
近年は大学の準体育会・同好会・サークルの日本一を決める大会と位置付けられ、代々の選手・女子マネジャーに『マガ杯』『マガジン杯』の愛称で親しまれているサッカーマガジンカップ。参加する同好会・サークルは一般的に、1年生から3年生までは『現役』として、学年に関係なく今大会に参加するチームを編成するが、4年生は在学中ではあるものの、単独チームで臨む。
奥ヤマンチェスター夢テッ斗は早稲田大学稲穂キッカーズの4年生チームで、Bチームと対戦したラウンド16は『稲穂ダービー』だった。先輩チームは前半に先制されたものの、後半に同点ゴール。櫻井が相手のミスを突いて右サイドから持ち込むと、GKの股間を抜く右足シュートでネットを揺らした。
「(狙えるコースは)あそこしかないかな、と思って振り抜きました。抜けてくれてラッキーでした」と振り返る。チームは現役生の勢いに押されて思うようにチャンスを作れない時間が長かったが、櫻井の得点で追いついて30分ハーフの試合を1-1で終え、PK戦でベスト8進出。現役チームとの対戦にあたっては「自分たちが真剣にやらないのも失礼だと、みんなで話していた」という。
菅平高原がある長野県の飯田高から早稲田大に進み、「強豪校ではなく、全然うまくない選手でしたが、大学でもしっかりサッカーをやりたいと思っていたら、熱くなれる集団が見つかったので」稲穂キッカーズでプレーしてきた。昨年まで3年間は現役チームで参加し、「3年間しっかりやり切って、4年目もみんなで仲良くやれているので、良い経験をさせてもらっている」と仲間に感謝する。
負傷明けで、今大会ここまでは予選リーグ第1戦に途中出場して3分間プレーしただけだったが、初先発で大仕事。午前に準々決勝、午後に準決勝が行なわれる11日に向けて「みんなで『目の前の試合に全力で』と話しているので、いけるところまでいきたい」と意気込んでいた。
取材・写真◎石倉利英