皇后杯 JFA 第46回全日本女子サッカー選手権大会の準決勝が1月18日にサンガスタジアム by KYOCERAで行なわれた。アルビレックス新潟レディース(新潟L)が日テレ・東京ベレーザ(東京NB)を、三菱重工浦和レッズレディース(浦和)がINAC神戸レオネッサ(I神戸)を下し、25日の決勝に駒を進めている。

前半終了間際の連続ゴール

浦和は先制されたものの、その後の4得点でI神戸に逆転勝利(写真◎森田将義)

 第2試合は序盤、I神戸のペースで試合が進んだ。「スタートは良かった。強さ、アイデンティティーを見せることができたと思う」と振り返るのはジョルディ・フェロン監督で、お互いに強度の高い守備で自由を与えない中でも、FWカルロタ・スアレスと愛川陽菜の2トップが力強さを発揮し、敵陣へと攻め込んでいく。
 
 すると22分、MF桑原藍の突破から左サイドでスローインを獲得。DF井手ひなたが投げ入れたボールを、ニアサイドのDFヴィアン・サンプソンが頭でフリック、スアレスがシュートを放った。このボールは相手に阻まれたものの、こぼれ球をサンプソンが押し込んでスコアを動かした。
 
 ビハインドとなった浦和だが、楠瀬直木監督が「注意していたセットプレーで失点したけど、準備していたので浮足立たなかった」と振り返ったように、焦りの色は見られない。「セカンドボールを拾えるか、拾えないかで試合の内容が決まると思う。そこはみんな意識高くできていた」と続けるのはDF栗島朱里で、一人ひとりがデュエルに競り勝ち、相手のスペースを効果的に突いていく。
 
 42分には中央でのパス回しから右サイドを攻め上がったDF遠藤優がクロスを上げ、中に飛び込んだFW高橋はなが同点ゴール。アディショナルタイムの45+2分には、高橋のパスからFW島田芽依が抜け出して決め、連続ゴールで逆転して前半を終えた。
 
 後半は一進一退の攻防が続いたが、浦和はDF石川璃音が対人の強さを発揮し、2失点目を回避すると、66分にはクリアボールを前線で収めた高橋がDF裏にスルーパス。走り込んだMF塩越柚歩がGKとの1対1から左スミに決めてリードを広げる。
 
 73分にはMF伊藤美紀が決め、リードを3点に広げると、後半終了間際の89分には長期離脱から復帰したMF猶本光が交代出場。「1年前にケガをしたのは準決勝で、このピッチ。組み合わせが決まったとき、絶対にここで良い思い出に変えたいと思っていた」と振り返る猶本は、ピッチに入った直後にシュートを放つなど軽快なプレーを披露。4-1で決勝進出を決めた試合後、栗島が「去年この大会でケガをしてしまったので、光さんがこの試合で復帰できたらいいなと思っていた」と話すなど、仲間に祝福される姿が印象的だった。

 決勝は1月25日13時から、エディオンピースウイング広島で行なわれる。新潟Lは悲願の初タイトルとなる初優勝、浦和は2021年度の第43回大会以来、3年ぶり2回目の優勝を目指す。

取材・写真◎森田将義