UEFAチャンピオンズリーグ決勝が現地1日にイングランド・ウェンブリースタジアムで行われ、レアル・マドリード(スペイン)がドルトムント(ドイツ)を2−0で下し、2シーズンぶり15度目の優勝を飾った。

上写真=苦しい時間もあったがきっちり勝利をものにしたレアル・マドリード。試合巧者ぶりが光った(写真◎Getty Images)

前半はドルトムントがペースを握るも…

 前半はドルトムントの時間となった。素早い攻守の切り替えからレアル・マドリード守備陣の背後を突くと、何度もゴールに迫った。

 20分、フンメルスのスルーパスにアデイエミが抜け出し、GKクルトワを外してシュートを打つが、体勢が崩れて打ち切れず。その直後の23分にはマートセンが敵陣でボールを奪い、スルーパスを受けたフュルクルクがシュートを放ったが、右ポストを直撃。さらに28分、自陣からカウンターに転じると、ブラントのパスから再びアデイエミが狙ったが、クルトワに止められた。そして41分、ザビッツァーの鋭いミドルシュートはゴール左下に飛んだ。しかし、この場面もレアル・マドリードの守護神クルトワの好セーブに遭った。

 最初の45分間は完全にドルトムントのペースで進み、チャンスの数も多かった。痛かったのはその時間に1度もネット揺らせなかったことだ。後半、レアル・マドリードが地力を見せ始める。

 49分、クロースが直接FKでゴールに迫る。直後のCKではカルバハルが惜しいヘディングシュートを放ってみせる。そして74分、ついに均衡が破れる。49分と同じように左CKの場面で、今度はきっちりネットを揺らす。クロースのキックをカルバハルがニアでとらえ、レアル・マドリードが先制した。

 そして83分、レアル・マドリードが追加点を挙げる。ドルトムントの左サイドバック、マートセンの横パスをベリンガムがカット。ボックス左でパスを受けたヴィニシウスが蹴り込み、2−0とすると、そのまま押し仕切り、レアル・マドリードが2シーズンぶり15度目の優勝を成し遂げた。

 前半の出来は決して良いとは言えなかったレアル・マドリードだが、クルトワ中心に耐えしのぎ、後半に反撃に転じてゴールを重ねるあたりはさすが。ドルトムントも持ち味を示した試合ではあった一方で、レアル・マドリードの試合巧者ぶりが光る一戦でもあった。

1年の契約延長に基本合意したとされるモドリッチと今夏のEUROを最後に引退を発表しているクロース(写真◎Getty Images)