現在のU―22日本代表はアンカーの層が厚い。ポジション争いはし烈だが、川﨑颯太は勝ち取るつもりで、今回の欧州遠征に臨んでいる。24日(日本時間26時15分開始)に行われるU―22ドイツ代表戦も出場に意欲を燃やしている。

上写真=今回の遠征で自らの力をアピールしたいという川﨑颯太(写真◎飯尾篤史)

文・写真◎飯尾篤史

京都と代表の違いを「意識してやらないと」

 U-22日本代表においてアンカーは最激戦区の一つだが、川﨑颯太はポジョション争いにおいて自信を覗かせた。

「その3人も、僕ほどは出場機会を得られていないと思うので」

 3人とは、横浜F・マリノスの藤田譲瑠チマ、ガンバ大阪の山本理仁、コルトレイクの田中聡のこと。彼らが所属クラブでポジションをつかめていないのに対し、川﨑は京都の不動のアンカーで、21歳ながら今季からキャプテンまで任されている。

 もちろん、「出場数や所属クラブ、所属リーグは関係なくて、このピッチで何を見せられるかが大事」だと理解しているが、“勝敗の責任”を背負ってプレーすることによる自身の成長も感じ取っているのだろう。

 京都も、U-22日本代表も、基本システムは同じ4-3-3だが、志向するサッカーは大きく異なっている。

「京都は縦に速く、まずは縦を狙うんですけど、代表ではサイドで時間を作ったり、ボールを大切にするので、ボランチの仕事も変わってくると思います。代表のほうがボールを受けたり、やり直すことを求められるので、そこは意識してやらないといけない」

 両チームの違いについて説明すると、川﨑はキッパリとこう言った。

「ただ、ハードワークをして奪ったあとに攻撃に出ていくところをなくしたら僕じゃない。ただボールを回すだけなら、僕じゃなくていい。選ばれているからには自分の良さを出さないといけないし、大岩さんのサッカーを整理できてきたので、今回の遠征では自分の良さを出しながら、チームの良さを出せるようなプレーができるんじゃないかと思って、ワクワクしています」

 ゲーム形式のトレーニングでもボールにしっかり関わり、コンディションの良さも伺えた。3月24日18時15分(日本時間26時15分)にキックオフとなるU-22ドイツ代表戦のスタメンに、川﨑が名を連ねる可能性は少なくない。